今月11、12日にニューヨークで開かれた「模擬国連」に日本代表として出場した 渡邊 玲央(れお)さん 鵠沼海岸在住 18歳
世界と議論、将来の礎に
○…世界中の高校生が国連を模して国際問題を討議する「模擬国連」。昨年11月の全国大会で最優秀賞を収め、国際大会への切符を手にした。目標にしていた賞獲得こそならなかったものの、世界を舞台にした同世代との論戦。「国ごとの議論の進め方や考え方。すごく新鮮で有意義な体験だった」と振り返る。
○…模擬国連では、自分の国に関係なく割り振られた国の大使役になりきり、国益を踏まえた合意を目指す。担当したのは南米ウルグアイ。テーマは「選挙監視」だった。議論に臨むには、語学力はもちろん、国の成り立ちや内政、参加国の政治体制の熟知が不可欠。インターネットで海外の論文を読み込むなどリサーチを重ね、本番では、参加国で大枠の理念を共有してから具体策を話し合う「NOが出ない決議案」を目指した。序盤は議論をリードしたが、終盤は他国に主導権を握られ「悔しさが残った」。ただ、その悔しさも言い換えれば経験のひとつ。今回の派遣あってこそのものだ。
○…日本人の母とフランス人の父。幼い頃から文化や風習が異なる2つの国を見て育ったからかもしれない。「両国それぞれに良い所とそうでないところがある」。自然と国のあり様を俯瞰するようになり、いつしか国際問題にも関心を持つようになった。「ここなら自分の好きな分野に熱中できる」。全国屈指の強豪として知られる、桐蔭学園中等教育学校の「模擬国連部」の門を叩いたのもそんな理由からだった。
○…先頃部活を引退し、現在は進学を控えた受験勉強の真っ最中。ただ将来はすでに見据えている。「人間の最低限の安全保障。世界全体を底上げできる仕事がしたいんです」。目標は国連職員に就くこと。在学中に得た経験を礎に、未来への道のりを一歩ずつ歩んでいく。
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