太極拳のルーツとされる陳氏太極拳の伝承者として活動する養芯会総師範 塚本 博信さん 村岡在住 47歳
思いが促す成長、伝えたい
○…日本人でありながら、太極拳のルーツとされる陳氏太極拳の次世代継承者「伝人」の第11代目に選ばれ凱旋。普及活動を進めている。伝人とは技術の継承はもちろん、歴史や伝統も含めた流派のすべてを伝える正統継承者。選任された時には、中国で話題となった。「日々の鍛錬と、陳氏の皆さん含め出会いに恵まれた」と話す。藤沢でも活動中で「思いで人は困難を克服し、成長できると伝えたい」と意気込む。
○…陳氏太極拳との出会いは「大病の発覚」と「縁」。会社員として勤めていた29歳の時に胃がんが発覚。胃の5分の4を切除した。病後を過ごしている時、留学した時に出合った中国の友人が現地の日本語教師の職を紹介してくれた。そして同僚教師から太極拳の権威、陳氏と出会った。健康体操ではない武術としての素早く、激しい本来の技術を習い、心を鍛え、体は快方に向かった。陳氏へと至るこの縁は「天命です」ときっぱり。
○…秦野市生まれの藤沢育ち。村岡中、鎌倉高校を経て中央大学へ。そこで中国経済の可能性に触れ、研究したことが今の縁につながっている。趣味は料理で本場の中国料理から漬物まで幅広く作る。門下生10人にふるまったことも。「中国では逆なんだけどなぁ」と言いつつうれしそうに笑う。
○…「いい指導者はいかにいい後進を育てるか」と力説。直接指導は上海と国内。そのほか海外での教室も準備中で、そこでは教え子たちが活躍する場を作りたいと考えている。一方で、太極拳、少林寺拳法、空手、八極拳の団体をつなぎ、長く続けられるスポーツとして普及を目指す。すでに演武と、伝承の紙芝居のイベントを開き「大盛況だった」。10月には地元藤沢でも開催予定。「ぜひ、ご家族で参加してほしい」と目を輝かせた。
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