9月6日、日本放線菌学会の浜田賞を受賞した 高野 英晃さん 日本大学助教 36歳
感性が研究のひらめき
○…「放線菌」と呼ばれる微生物の研究で、若手研究者に贈られる日本放線菌学会浜田賞を受賞した。この微生物に光を感知する能力が備わっていることを明らかにし、これまで未開拓だった分野に光を当てた。「ぜひ取りたい賞だったので素直に嬉しい。学会には現在活躍する教授らが多く在籍している。名誉なことだと思う」と喜びを語る。
○…それは「偶然の発見」だった。ある日、たまたま実験台に置いていた放線菌が、光に反応して黄色く光っていた。「不思議な気持ちだった。なぜだろう」と好奇心が沸いたという。「放線菌」は感染症の治療に使われる抗生物質を生産することで知られる有用微生物。将来は、その有用な機能を光でコントロールできる『光スイッチ』などへの応用が期待されている。生粋の日大生で、生物資源科学部に入学し、大学院へ進み今は助教として務めている。これまで、同大の研究者で受賞者はいるが、学部出身者は自身が初めて。「自由に、思いっきり研究させていただけた。僕はラッキーだった」
○…茨城県の筑波市出身。農家の次男として生まれ育つ。実家は筑波山を望む自然溢れる場所。小中高で夢中になったのは、研究とは無縁なサッカー。「キャプテン翼に憧れて」と照れくさそうに理由を話す。大学に入学し、藤沢で一人暮らしを始める。グランドホテルでアルバイトをしたり、自転車で海にいったり、思い出は多い。
○…現在は大和市で奥さんと2人暮らし。実は、その奥さんは大学の同級生で大学院まで共に勉強をした仲間。10年の愛を実らせ4年前に結婚。「受賞を喜んでくれている」と頬がゆるむ。研究には、サッカーで鍛えた体力や精神力が強み。考えることは大事だが、何よりも「感じること『感性』が大切」と穏やかだが力強い声で語った。
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