11月に開かれる第58回技能五輪全国大会へ出場する 大胡田(おおごだ) 珠侑(みゆ)さん 柄沢在住 20歳
若き女性の旋盤工
○…切ったり削ったりしたいものを回転させ、固定した工具で切削加工することを「旋盤」という。その技術レベルの日本一を競う技能五輪全国大会に出場する。いすゞ自動車に入社3年目。初めて臨んだ予選では、2次予選でトップ通過する技術力の高さを見せた。しかも同社では女性として初の全国出場になる。「いつも通りにと心がけて臨んだ予選だったけれど、良い結果が出て自信に繋がった」と落ち着いた口調で話す。
○…「手に技術を付けた方が将来、就職にも有利」という母の教えがきっかけだった。2人の姉が旋盤技能の資格を取得していたので、「自分にも取れるのではないか」と藤沢工科高校で学んだ。実は「姉に負けたくない」という勝気なところも少し。高校で学ぶうちに旋盤の魅力を感じるようになり、「形の無いものから作り出すこと、どうすれはうまくいくのか考えること」が楽しさになった。
○…全国大会は制限時間5時間15分で競技課題となる5つの部品を作成し組み立てる。ごくわずかな精度が求められ、長時間の作業になるため集中力を保つことがカギ。最近では身体への負担を減らそうとストレッチが日課となり、日々の練習では作業前に道具を揃えるルーティンも取り入れた。「今は何ができるのか試行錯誤の連続」と練習の毎日を送っている。
○…柄沢で生まれ育った。幼少期は自転車で走り回るような、外で遊ぶことが好きな子どもだった。今の楽しみはスイーツを食べること。「パンケーキとかアイスとかが好きです」と嬉しそう。全国大会へは「最初の粗削りは力が必要だけれど、女性だからといって不安はない。他の企業に負けないように、できれば1番をとりたい」と静かな闘志を燃やす。
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