「第24回極美展」で文部科学大臣賞を受賞した 小泉 忠二さん 高倉在住 78歳
「心・技・体」をバランスよく
○…古刹、銀閣寺とスマートフォンを持った若い女性とのコントラスト―。手掛けた版画「古今︵銀閣寺)」が5日まで都内で行われた「第24回極美展」で文部科学大臣賞を受賞した。最も優秀な作品に贈られる極美大賞や内閣総理大臣賞に次ぐ栄誉。全国から応募された洋画や日本画、水彩画など約350点の中から選ばれた。「この美術展では5回目の賞。達成感があるね」と喜びをかみしめる。
○…横浜市瀬谷区の農家に生まれ育った。藤沢商業高校卒業後、百貨店の高島屋に就職。「仕事が忙しくて頭がぼーっとした時に美術館で絵を眺めたり、職場の芸術家の催しを見に行ったり」。現役時代、美術鑑賞が心を和ませる時間となっていたこともあり、退職後、版画教室に通うようになった。一度決めたらとことん突き詰める性格。これまで「国宝」や「世界遺産」をテーマに年6〜7作品を創作してきたが、その場の雰囲気を作品に生かすため、度々現地に足を運んできた。18年間で手掛けた作品は実に100点以上に及ぶ。
○…今作は京都に10回以上通う中で、現代の象徴ともいえるスマートフォンを操作する人の姿を銀閣寺と組み合わせるアイデアをひらめいた。手前に広がる庭園の向月台と波模様の砂も表現。銀閣寺が輝いて見えるように周りに銀粉を振るうなど工夫を凝らした。「ひらめきを活かしたオリジナルの作品ができるのは版画の醍醐味」と話す。
○…普段から心がけているのは「心・技・体」のバランス。読経で「心」を、版画で「技」、畑や自転車、ウォーキングで「体」を鍛え続けている。「何事もチャレンジして、多くの人と出会う。井の中の蛙ではなく大海を見ないと。色々な人がいて楽しいよ」。向上心に衰えはない。
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