先月、藤沢市民まつりで藤沢2020応援ソングを初披露した非営利団体「SASP」代表の 小宮 明日翔(あすか)さん 辻堂元町在住 18歳
歌の力を信じているから
○…《迷わないで/あなたの夢/いつか叶うその日までは》。疾走感ある曲調に聴衆を勇気づける歌詞が響く。タイトルは「Link the wind」(リンク ザ ウィンド )。夢への挑戦をテーマに、セーリングのイメージを重ね合わせた。ミュージカル俳優やダンスパフォーマーを目指す仲間と一から作詞作曲した労作。「自分たちの思いをうまく表現できたと思う。たくさんの人に聴いてもらえたら」と思いを語る。
○…オリジナルソングは、来年東京五輪を迎える藤沢への応援歌であり、夢を追いかける若者へのエールでもある。きっかけは高校生時代、文化や芸術に対する国の支援状況を知って。日本の文化芸術分野に割く国家予算の割合は仏や韓国と比べて10分の1程度。同程度の米国も国民が寄付という形で振興を後押ししていることに衝撃を受けた。「もっと大人が理解してくれてもいいのに」。幼い頃から子役として芸能活動を始めるも、学校の理解が得られず、進路選択に苦しんだ経験も重なり、思いはくすぶった。
○…再び転機になったのは、来年の東京五輪。憲章に目を通すと、五輪はスポーツだけでなく、文化芸術の祭典でもあるのだと知った。そこで自分なりに何かできればと市のワークショップを経て辿り着いたのが、歌で子どもたちを応援すること。「同じ言葉でも心に自然と届く」と次世代への思いを歌詞にしたためた。
○…自らもミュージカル俳優という夢を追い、音大に通う大学生。今後は音楽活動の傍ら、歌やダンスなどのワークショップを通じて地域の子どもたちに表現することの楽しさを伝えたいという思いもある。がらりと世の中を変えることは難しいかもしれない。それでも、何かできることはあるはず。「自分は歌の力を信じていますから」。そう言ってほほ笑んだ。
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