観光本「カネよりもチエとセンスで人を呼び込め!」の編著者 鷲尾 裕子さん 東海岸北在住
地域の力でまち興しを
○…全国各地の観光まちづくりに焦点を当てた本「カネよりもチエとセンスで人を呼び込め!」(A5判/296頁・東京法令出版)を6月末に出版、その編著に携わった。現在講師として勤めている松蔭大学観光文化学部の嶋津隆文氏とともに1年がかりでまとめ上げた。「観光まちづくりで成功している地域の方に話を聞き、何度も耳にしたのが『たまたまですよ』という言葉。でも何もしないわけがない。その謎解きを進めたのがこの本です」
○…生まれも育ちも大阪府堺市。神戸大学を卒業後、結婚を機に茅ヶ崎へ。「人も空気ものどかな所だな」と感じたのが第一印象。こちらでは(社)日本観光協会(現、(社)日本観光振興協会)に就職し、10数年にわたり”観光”と向き合った。「まちの魅力を創り出すのは地域の人。『観光』は『交流』という言葉に置き換えてもいいと思うんです。色々な人が関わり、まちをよくしようと動いている」
○…松蔭大学では学生に向け、地域活動の大切さを伝えている。これまでの経験から感じたことだが、自身も茅ヶ崎で「茅ヶ崎の文化景観を育む会」と川上音二郎没後100年・川上貞奴生誕140年記念事業の実行委員会に身を置き、街づくりの一端を担っている。「はじめは音二郎の名前といっても聞いたことがある程度だった。きっかけは何でもいい。茅ヶ崎を良くしたいと思った」。今秋、記念事業のメインイベントを迎えるが「家の中でイベントの話題が上がるとか、興味が色々な世代に広がりをみせれば」と期待を寄せる。
○…著書では観光まちづくりの事例を紹介する一方で、その地域の首長や自治体、商工会議所、企業人など、多彩な顔ぶれが執筆しているのも魅力のひとつ。まちづくりに成功した観光地のチエとセンスを肌で感じる。「(本を読んで)観光が決して難しいことではないと知ってほしい。まちづくりの取っ掛かりになれば」と切に願う。
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