市内で初めて肉牛の販売許可を得て、牧場内に販売所を開設した 斉藤 忠道さん 芹沢在住 29歳
農畜産物を名産に
○…「斉藤牧場」(芹沢397)で畜産業を営み、5月に市内初の肉牛の販売許可を得て、牧場内の販売所「ちがさき牛」で直売を行っている。父と3年ほど前から「地産地消」を進めたいと話し、卸業に加え自ら値段を決め直接販売するために準備してきた。メディアに取り上げられ購入者も徐々に増えてきたが「まだまだ知名度が低い。茅ヶ崎といえば海の印象が強いので、山側にも農畜産物があることをもっとアピールしたい」と熱を込めて話す。
○…9年前に父が肉牛の廃業を考えている姿を見て、後継者になろうと決意。父はそれを喜んだが、仕事の上司として衝突することも少なくなかった。だが父の畜産に対する考え方を知るにつれ共感し、今では尊敬し互いに協力して牧場を支え合っている。現在牧場では140頭ほどの牛を飼育している。人が食べ、体に良いものは牛にも良いという考え方のもと、地下からくみ上げた水、米、海草、ビール粕、おからなど十種類ほどの飼料を与えている。それらを食べ健康に育った牛には持ち味の「くどくない美味しい脂質」が生まれた。牛一頭一頭に愛情を持ち「いただく」までの過程を大切にしている。
○…三兄弟の末っ子として生まれ育つ。小中高でサッカーに熱中し今も楽しんでいる。幼い頃から芹沢の地で動物や自然を身近に感じその環境に愛着を持った。若くして畜産を志したことを珍しく思われるが「自分にとっては当たり前のこと。育ってきた環境が畜産の道へ導いた」のだという。
○…将来的には販売所を市内の他の農家とともに、肉、米、野菜などを売る「夕食の食材が全て揃い、その場で調理し食べてもらうことも出来る直売所兼レストラン」にしたいのだという。「消費者に目と目を合わせて『美味しい』と言ってもらえることが何より嬉しい。だから頑張れる」とやりがいを話す。これからも、茅ヶ崎の農畜産業発展のために尽力していく。
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