11月11日(金)に「湘南ビジネスコンテスト」に出場する就農者 直井 景子さん 堤 在住
覚悟決め「女農業道」を
○…小さい頃から茶道を習い、今でも週に1回は教室に通う。着物を身にまとうその姿からは、くわを持ち畑で勤しむ光景を想像し難い。農業の新規参入を促進する「かながわ農業サポーター制度」を活用した就農活動は2年目を迎えた。茅ヶ崎・藤沢・寒川町の中小・ベンチャー企業が独自のビジネスプランを発表する「湘南ビジネスコンテスト」に出場する(今回は5団体)。ここでは「地域に根付いた地場産農産物の事業モデルとその展開」について持論を語る。
○…現在、芹沢の畑でカボチャやナス、ネギなどの野菜を生育。スタッフ2人、協力農家と一緒に農作業を行っている。「週に3日ほど働いています。私たちのコンセプトは『忙しくしないこと』。スタッフみんなが主婦なので出来る範囲でやっています」。また、作る野菜は無農薬にこだわる。「土の中にいる微生物によって野菜は生かされています。私たちは虫や土を大切にしているんです」
○…ファッション業界から農業へ転身した異色の経歴を持つ4児の母。別世界へ足を踏み入れたのは重度の喘息アレルギーを持つ子どもたちがきっかけ。「食事療法などを考えて、本当に美味しいものを提供して家族を元気にしたかった」。それからは大学の集中講座で食について学び、パンや野菜を売って生計を立て、茶道・料理教室にも通った。「その頃は週に3日は寝ない日を作っていましたね」
○…現在の販売エリアは畑から半径3Km以内に限定。口コミなどで受注を増やし、今では週に50〜60件の家庭に宅配している。徹底した地域密着型の販売ルート。ゆくゆくは自身の取り組みをモデル事業とし、全国展開することが夢だという。「(失敗しても)環境や周りのせいにしたくありません。私たちは『覚悟』を持ってやっていきたい」。自身が歩んだ、そしてこれから歩んでいく道を「女農業道」と表現する。女性としての芯の強さを窺わせた。
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