朗読会「10歳の見た地獄…わたしのナガサキ-下平作江さんの証言」を開催する 宇都(うつ)純子さん 萩園いこいの里勤務 64歳
平和への思い後世に
○…18年前から原爆をテーマにした朗読を続け、平和への思い、命の尊さを語る。8月4日(日)には、ハスキーズギャラリー(新栄町)で朗読の会「10歳の見た地獄…わたしのナガサキ―下平作江さんの証言」を開催。今年5月に証言者の下平さんと長崎県内で会い、取材したものを話す。「今までは広島を中心に取り上げてきましたが、今回は長崎の話をします。平和に対するメッセージを届けたい」と思いを込める。
○…生まれは大磯町。3歳の時に茅ヶ崎に越してきた。海軍に入隊していたお父さん子で育ち、幼い頃から父の戦争体験談に耳を傾けてきた。「父の話はたいてい戦時中のこと。海軍では飛行機に乗り、墜落した時の影響で両手に後遺症の残る父の話を聞こうと、わざと仕向けたこともありましたよ。もう二度と戦争を起こしてはいけないという気持ちにもなりました」。短大卒業後は、日本石油化学に就職。その後、離職期間に訪れたインドで戦争や原爆について話すとそこで衝撃を受けた。「当時、現地の人に日本が被爆国だと伝えても信じてもらえなかったのです。ここでも事実を伝えていくことの大切さを知りました」
○…現在は市内の福祉施設に勤務し、休日は映画や芝居を見て楽しむ。自身も幼い頃は芝居の道で生きていくことを思い描き、稽古に励んだ時期もあった。「芝居は見るのもやるのも好きです。演じ手の時は楽しかったですし、たくさんの事を教わりました。まさに全身全霊で演じていましたよ」と満面の笑みを浮かべる。
○…今回の公演のほかにも鶴嶺高校と茅ケ崎西浜高校のボランティア塾に参加し、写真を用いて生徒らに伝えていく活動も行う。「中には知らない子もいます。でもしっかり事実を伝えることで反応してくれます。戦争を経験された方が高齢になられているので私たちが子どもたちに伝えていきたい」。今後も地道に、平和への思いを語り継ぐ。
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