茅ヶ崎警察署工場事業所防犯連絡会の会長に就任した 大森猛(たけし)さん 萩園在住 70歳
己を律し、人を慈しむ
○…茅ヶ崎・寒川の198事業所が加盟する防犯組織の会長に就任した。行政や警察と連携し、防犯に関する研修や啓発活動を通じて安全なまちを目指す。「会員数が多いだけではダメ。たとえば落語家を招いて防犯がテーマの寄席を開くなど、会員の役に立ちながら楽しく参加できるような会にしたい」。ユニークなアイデアの一端を披露した。
〇…満州・大連の生まれ。終戦を機に帰国し、平塚の引揚者住宅で育った。高校では柔道にのめり込み、部の県大会優勝に貢献。卒業後は、電気通信設備を請け負う家業の大森組(現・神奈川電設(株))に勤めた。実は他に就職先が決まっていたが直前で考えを改めた。「朝早くから働きに出る父の姿を見て育ち、そんな父を助けたいと思った。苦労するかもしれないが、それ以上の充実感があるはず」
〇…入社後は仕事にのめり込み、人一倍働いた。あるとき自分のミスで大きな損失を出してしまった。「怒られると思ったが父は何も言わなかった。普段の働きぶりを見ていてくれたのかもしれない」。無言の背中に父親の偉大さや寛容さを感じ、仕事に対する責任を強く意識するようになった。「失敗は人を育てる。今の若者も失敗を経験して、そこから学んでもらいたい」
〇…好奇心旺盛で、常に目的をもって行動する性格。毎朝3時に起きて冷水で身を清め、早朝に行われる倫理法人会に夫婦で参加する。就寝時も枕元にメモ帳を置き、ひらめきを書き留める。「自分や人との約束事を守ること、小さな積み重ねが大切」とにっこり。
○…4人の子と11人の孫に恵まれた。「子どもが無事育ったのも、家の心配をせずに働いてこれたのも家内のおかげ」と一番の感謝を寄せる。50歳から再開したバイクでは月1回、奥さんをハーレーの後ろに乗せてツーリングへ出かける。2人で北米横断の旅をしたことも。「2人なら心強い」。支え合い、喜びを共にする夫婦の絆が垣間見えた。
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