国際山岳看護師の認定を受けた 重盛 ゆき子さん 矢畑在住 39歳
看護力で登山者の安全を
○…国際的な3つの医学会が公認する日本登山医学会の「認定国際山岳看護師」資格に、全国2人の内の1人、県内では初めて認定された。「登山歴の長さと看護師経験を生かせた」。2014年夏から約2年間かけて、山での様々な実践やレポート提出を通して単位を取得し登録を受け「嬉しい気持ちでいっぱい。ただ、どんなことができるかプレッシャーもある。身近なところからこの資格を生かして活動したい」
○…幼い頃に両親、兄と長野県をハイキングしたのが山との出会い。鶴嶺中、北陵高時代と理数系が得意だったことから「管理栄養士や臨床検査技師など白衣を着る仕事がしたいと思っていた」。誰とでも気さくに笑顔で話し、行動力のある現在の姿からは想像もつかないが「当時はシャイな性格で、人と話すのが苦手だった」。これを克服しようと看護師を志望し、高校卒業後は横浜市大の3年制短期大学部に進学した。
○…新卒で市立病院の小児科に配属され「様々な人と接して、人の誕生から亡くなるまでの現場に立ち会うことが大きな経験になった」。また同時期に社会人山岳会へ入会し、気の合う仲間ができたことも、自身を社交的な性格に変えた理由の一つという。海外登山にも挑戦し「もっと英語で話せたら」と30代前半で2年間オーストラリアに留学。大学で学び看護学士を取得したほか、高齢者介護の資格を取り現地で勤務し「海外の病院を見て色々な価値観に触れられた」。帰国後「新しい目標を」とインターネットで見つけたのが、今回取得した「国際山岳看護師」の資格だった。
○…現在は市立病院に勤務。地元の登山愛好家が集う「茅ヶ崎山岳協会」にも所属し、会の幅広い世代と交流しながら休日を山で過ごす日々。今後は「仲間との登山で万一のことがあった時に医療職の自分が力になりたい」と話し「安全登山を看護師の立場から啓蒙していきたい」と続けた。
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