茅ヶ崎断酒新生会の会長を務める 宮坂 久喜さん 菱沼在住 70歳
”断酒”悩む人の助けに
○…「断酒したいと悩む人の助けになりたい」。個人の力だけでの完治は難しいとされるアルコール依存症に悩む人たちで構成された自助組織「茅ヶ崎断酒新生会」の会長を務め、4年が過ぎた。同会の事務局や県知事委嘱酒害相談員としても活動しており、苦しむ本人や家族に手を差し伸べている。断酒会としては、市中央公園で11月3日(日)に開催される「第36回市民ふれあいまつり」に初めてブースを構える。「悩んでいたら相談してほしい。もちろん秘密は厳守します」と穏やかに微笑んだ。
○…長野県で生まれ、すぐに横須賀へ。正義感あふれるガキ大将で、常に3、4人の友人に囲まれにぎやかな学生時代を過ごした。「強くなりたい」という理由で始めた柔道は、高校2年で黒帯に。20歳で化学系の上場企業に就職し、62歳で退職するまで営業職をメインに第一線で働いてきた。30歳で結婚と同時に茅ヶ崎へ。2人の子どもはそれぞれ独立し、仕事もプライベートも充実した日々を過ごしていたころ、体に異変が起きた。「仕事のストレスだったと思う」。飲んでも、飲んでも、酒が辞められなくなった。50代後半、肝臓を壊し、アルコール依存症と診断された。
○…ダメだと分かっていても、「今日だけ」「一杯だけ」と酒に手が伸びる日々。そんな時、孫が誕生。「酒臭いおじいちゃんになるわけにはいかない」と、自身の依存症を認め、専門病院で治療を開始した。そして、治療終了とともに断酒会に入会。同じ悩みを持つ仲間とともに酒害体験を聴き語り、互いに支え合っている。入会して約10年、今日まで酒は一滴も飲んでいない。「今は5人の孫に囲まれて、楽しく暮らしています。酒をやめると良いことがあるということを広めたい」
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