茅ヶ崎市美術館で12月14日(土)から個展を開催する 城田 圭介さん 本村在住 43歳
日常と地続きのアートを
○…旅行先の街角、近所の公園、大学までの通学路。何気ない日常の写真をもとに、風景を描き足し、時に写真上の人物を背景で埋める。写真と絵画を融合させた表現方法が注目を集め、国内外で展覧会に参加してきた。12月14日からは自身初となる国内美術館での個展を開き、初期から新技法の作品まで約250点を展示する。
○…川崎市出身。中高と熱中したのはソフトテニスで、中学では全国大会へ出場した。高3で部活を引退後、ふと思い立ち美術予備校へ。理由は「単に美術の成績が良かったから」。入学した東京藝大の写真をテーマにした講義で、講師の「シャッターを切れば何でも作品になってしまう」という言葉が耳に残った。本来はコンセプトを練った上で写真を撮るべきとの意図だったが、その手軽さに「作品は日常と地続きなんだ」と直感した瞬間だった。
○…院へ進学後、修了制作展で東京のギャラリーから声がかかり、個展を初開催。「作品が買われるのをさみしく思ったのも初めてだった」。2012年にセルビアでグループ展に参加し、美術市場の規模に驚きながらも、一番刺激を受けたのは同年代の日本人作家だった。「みんな新しいことに挑戦している」。またアイデアがあふれてきた。
○…妻の地元である茅ヶ崎に4年前に移住した。休日は2人の子どもを連れて湘南祭や浜降祭に出かけ、カメラを構える。そんな姿が影響してか、「6歳になる長女の夢はカメラマン」とはにかむ。昨春、自宅で開いたオープンスタジオで市美術館の館長と出会い、個展開催に至った。「住んでいる街で作品を見てもらえるのはうれしい。自分の作品をきっかけに、日常の中に新しい発見をしてもらえたら」
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