3月27日まで「キッチンメッテ展」をすずの木カフェで開催する 早房 あかねさん 白浜町在住 51歳
思い立ったら一直線
○…バイオリニストとしての顔を持ちながら、工場製のアクリルクロス食器洗い「キッチンメッテ」を考案し、市内元町のすずの木カフェで展覧会を開く。知的障害者を支援する作業所の利用者に依頼して、手織りの製品「キッチンユンデ」も同時に開発した。「普段あまりしゃべらない利用者が”カラフルで作るのが楽しい”と言ってくれる。みんなが豊かな気持ちになれたら」
○…開発のきっかけは個人的に作っていたアクリル製のたわし。同じ物を8年愛用していると、夫が「丈夫でいいデザインだ」と珍しくほめてくれた。2013年頃、バイオリンを教えていた臨床心理士の宮崎ゆき江さんと意気投合し、商品化を目指すことに。しかし、手作りでは採算が合わず、一時断念。4年ほど前、和歌山の編物工場を訪れて試作を依頼し、試行錯誤の末、昨年夏に「メッテ」が形になった。
○…一方、手織りの「ユンデ」はさらに難航していた。しかし、19年12月にペデストリアンデッキで配布していた障害者の手織りのコースターを手に取り、「これだ」と思った。製作元の市内矢畑の知的障害者の作業所「サザンベア」にすぐに連絡を取り、今年初め、完成にこぎつけた。コロナ禍で作業所の仕事が減る中、「大きな額ではないが、私たちが支払う報酬でやりがいも感じてくれたら」。
○…小学4年から茅ヶ崎で暮らし、中学1年でバイオリンを始めた。一時楽器から離れてしまったが、07年に10年のブランクを超えて復活。現在は3人の子どもを育てながら、コンサート、小学校や保育園で絵本の読み聞かせなど精力的に活動する。「どの活動も同じ。関わるみんながつながれる場所を作りたいんです」と微笑んだ。
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