自身2作目となる長編小説を電子書籍で出版した 谷山 雄次郎さん 萩園在住 65歳
人生の起伏 言葉に乗せて
○…自身2作目となる長編小説『満開の桜の樹の下で君に贈る言葉』を6月16日、アマゾンキンドルから電子書籍で出版した。いじめを苦に自殺した親友の無念を晴らそうとする主人公の活躍を描いた。「陰湿ないじめの対処法として、自分だけで抱えずに勇気を奮い起こして被害を周囲に訴え、問題を共有することが大切」と思いを込める。
○…横浜出身。大学時代にテレビ局でアルバイトをしていた縁から、卒業後は民放の報道情報番組のディレクターに。在職中は取材で国内外を飛び回り、日航機墜落事故やロス疑惑、ソ連崩壊などを取材した。日航機事故では墜落した翌日に、自衛隊とともに5時間かけて御巣鷹山へ。「目の当たりにした現場の惨状が今でも脳裏に焼き付いている」という。
○…33歳のときにフリーの放送作家に転身し、報道番組に携わるが42歳で体調を崩し、退職。静養の日々の中で出会ったのは鎌倉彫のブローチだった。「伝統の技に惹かれた」と鎌倉彫のボタンを使ったジーンズやジャケットなどのオリジナルブランドを立ち上げた。しかし悪戦苦闘の日々が続き、事業の継続を断念。「全てを失い、どん底を味わった」と振り返る。
○…50歳を過ぎてケーブルテレビ会社に就職。編成・企画から初めてだったという営業まで幅広くこなした。62歳まで働き、「未経験の営業や上司と部下の人間関係など、今となっては貴重な経験」と話す。退職後、「昔からの夢だった」という小説家に挑戦。デビュー作として2020年に自らの経験も取り入れた『記者失格』を出版した。夢は「死ぬ間際まで小説を書き続け、直木賞の最年長記録を塗り替えることかな」と笑顔で語った。
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