第13回湘南ビジネスコンテストで大賞に選ばれた 秋山 雅美さん 中海岸在住 39歳
新たな道を拓く母
○…第13回湘南ビジネスコンテストで、自身が発表した「医療リンパドレナージサロン」のビジネスプランが大賞に選ばれた。医療リンパドレナージとは、リンパ浮腫が原因で身体の中に溜まった老廃物や細菌類をマッサージや皮膚のケア、運動療法の複合処置で改善に近づける方法。専門の資格は医療従事者のみが取得できる。「来年リンパ浮腫専門サロンを開業するのが目標です」とイキイキとした表情で語る。
○…高校は衛生看護科を卒業、専門学校を経て看護師の道へ。看護師を目指した理由は「手に職を付けさせたい」という母の勧めからだった。20歳から医療、看護の現場で勤務。転機になったのは、訪問看護で乳がんの末期患者と向き合ったことだ。この患者は、ガンの後遺症でリンパ浮腫を発症し、むくみが激しい状態だったという。この時に、アロマオイルを使ってマッサージを施したことが今に繋がっている。「とても喜んでもらえて、需要があることも分かりました」
○…リンパ浮腫患者は、国内に10万人から15万人いるといわれているが、医療リンパドレナージの資格取得者は約１２３０人しかいないのが現状という。また、この技術が現場で生かせている人は、その10分の１ともいわれている。「施術することで目に見えて効果が出る」というが、まだ専門サロンも少なく、自身が知るだけで国内に２件のみだ。
○…５歳の子どもを育てるシングルマザーでもある。子どもへの思いを聞くと、「責任感」という言葉が真っ先に出てきた。育児と仕事を両立するため、夜勤の多い病院勤務から、訪問看護や介護の仕事へ。「さみしい思いはさせたくない」。その思いが仕事にもつながっている。自宅でリンパ浮腫のサロンが開業できれば、家にいる時間が確保できる。「このサロンが、子育て中の看護師の働く場所として定着していけば」。母として、看護師として、新たな道を切り拓く。
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