文教大学和太鼓部「楓(かえで)」の9代目代表を務める 加藤 雄大(たけひろ)さん 文教大学情報学部2年 20歳
プロ和太鼓奏者を目指し
○…「太鼓にのめり込んだら、それ以外の事は考えられない」とマメで厚くなった手を見つめる。代表に就任した部員数21人の文教大和太鼓部「楓」は、年間約50公演の内、その半分を茅ヶ崎市内で行う。現在は2月28日(土)に横浜の泉公会堂で行う同部10周年特別公演の練習真っ只中。「これまでの『楓』とこれからの『楓』をテーマに、最高の演舞にしたい」と意気込む。
〇…両親と妹の家族全員がドラムやギターなどの楽器経験者で、幼少時から打楽器に興味を持ったのは自然なことだった。私立横浜中学校では満を持して吹奏楽部へ入部し、念願のパーカッション担当になった。そこで予想外の声が。「代々、そのパートは和太鼓部も兼任と言われて。断れる空気でもなかったですし、最初は仕方なく」と笑いながら振り返る。しかしすぐに先輩たちの勇ましい姿に心を打たれ「俺もああなりたい」と練習を重ね、横浜中学・高校を通して和太鼓部部長となった。
〇…進学先の文教大でも迷わず和太鼓部へ。代替わりである昨秋の学園祭後から9代目に就任した。実家の横浜市港北区から通い、大学構内での週3日の技術練習のほか、夏合宿では体力と精神力を鍛えるために早朝ランニングや声出しも行うという。「一年で最もきつい練習です。休憩時に言葉を交わす余力も残りません。しかし最高に充実します。何もない山奥で、自分と向き合える一週間ですから」とハードな内容を、さらりと爽やかに明かす。
〇…趣味を問うと「太鼓以外は特に」と言った後「実は付き合っている彼女も太鼓を」と恥ずかしそうに、学生らしく話し始めた。2人共通の趣味で「太鼓の愉しさや、のめり込んでしまうことも理解してくれる」と微笑む。そこには安らぎがあるようだ。そしてまた引き締った表情で「できるなら、将来は太鼓芸能集団『鼓童』に参加するようなプロ奏者になりたい」と力強く続けた。
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