金時山3000回、大山1000回、富士山100回登頂した 柳 賢一さん 赤松町在住 79歳
山に懸けた第二の人生
○…100回目の日本一の頂。眼下に広がる雲海と輝く御来光に79歳の体が思わず震えた。近郊の山から登り始めて20年。日本3000m峰、日本百名山、日本百高山を完登し、キリマンジャロやブライトホルンなど世界の名峰にもアタック。今年6月16日には金時山3000回、大山1000回登頂も達成した。「着実に続けてきた努力が実を結んだ」と喜びをにじませる。
○…東京に生まれ、5歳の時に父の仕事で茅ヶ崎に越してきた。神奈川工業高校機械科で学ぶと、高島屋に入社。ビルメンテナンスを担当し、横浜高島屋の開業にも携わった。「整備不良でお店が開かないと損失になる」と責任感を持って仕事に臨み、過労から潰瘍で胃を3分の2摘出したことも。ゴルフは平均スコア80の腕前で自宅にはトロフィーが並ぶ。第二の人生はゴルフ三昧と決めていたが、交通事故で指先が不自由に。「ならば」と、20代で登った槍ヶ岳に59歳で再挑戦。「案外いけた」と、ライフワークが決まった。
○…年に200回以上登る金時山。5年前の大雪では、山頂で山小屋を営む名物「金時娘」が山小屋に閉じ込められていたのを救出するなどエピソードは事欠かない。100回目の富士山登頂後も「登らないと落ち着かない」と、その足で金時山も縦走した。「山登りは、足腰の健康はもちろん、山仲間とも会えるから心も健康でいられる」
○…今後の目標はふたつ。一つは富士山本宮浅間大社にある70歳以上の登頂者が記帳する『富士山高齢登拝者記録』に毎年書き続けることで、ここでも頂を狙う。もう一つは7歳と5歳の孫娘と富士山を登ること。「孫娘と登れるのは10年後だろうから、今から準備しておかないとね」と顔をほころばせた。
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