10月26日からSZKギャラリーで個展を開く マイケル グラハムさん 中海岸在住 69歳
「偶然の出会い」をアートに
○…茅ヶ崎の海を歩き、拾った流木からインスピレーションを得て作品を生み出す。その手法はさながら、考古学者が遺物を発掘し、組み合わせ、そこに存在したであろう人類の文化を見出す作業のようだ。10月26日からの個展でも、偶然の組み合わせを重視した作品が並ぶ。「新たな着想を得てもらえるような場にしたい」
○…子どもの頃からのヒーローは、ピカソやマティス、クレーといった芸術家。そして故郷カナダの先住民族、イヌイットが生み出すアートに影響を受けてきた。大学で人類学を学んだことを機に、人工物や工芸品を意味する「Artifacts」という概念を彫刻や絵画で表現するように。「技術」と「偶然」が組み合わさった時に生まれるイマジネーションは、あらゆる人工物にはなくてはならず、また自身にとってもなくてはならない組み合わせだ。
○…カナダと日本で美術講師を続けてきた。市内でも、まちづくりスポット(浜見平)などで子ども向けのものづくり教室を開催。「大切にするのは『こういう物を作りたい』という思いです」。生徒がペットボトルの蓋や木の端材で車を作れば、そこに電気回路とモーターを用いて実際に走るよう応援する。授業での会話は英語と日本語。言葉がたとえ分からなくても、伝えようと工夫することの大切さも同時に伝える。
○…結婚を機に約20年前、妻の故郷の茅ヶ崎へ移り住んできた。日本は長い歴史を持ち、正直で親切な人が多く、そして何より「食べ物がサイコー」。芸術家としても多くの着想を日本から得ているという。「アートを通して周りの環境との関わり方をもっと知りたい。そしてアイデアを大切に、自分のスタイルで表現を続けていきたい」
|
<PR>