松下政経塾の塾長を務める 遠山 敬史さん 東京都在住 66歳
強い志もつリーダー育てる
○…政財界に数多くの人材を輩出してきた松下政経塾の塾長を、今年4月から務める。明日11日には同塾で初となる市民向け公開講座を開催する。テーマは「SDGs」。「当塾を設立した松下幸之助は第2次大戦後、平和と幸福を希求してPHP研究所を設立した。『誰1人取り残さない』世界を目指すSDGsの考え方は幸之助の思想そのもの。講座をきっかけに地域で活躍する人が生まれたらうれしい」と意気込む。
○…1979年に開設された同塾だが「地元との関わりが薄いことが負い目だった」という。そうしたなか企画された今回の講座。「コロナ禍など時代の転換点を迎えて、我々自身も地域の中で生きていく必要を痛感している」。現在は食に関するプロジェクトを地元NPOと進めるなど、地域との関わりは徐々に深まりつつある。「今後は障害のある塾生を受け入れることもあるかもしれない。老朽化した施設のバリアフリー化も進めたい」とハード・ソフト両面から改革を進める。
○…広島県出身。大学卒業後に当時の松下電器産業に入社した。主に営業畑を歩み、企業や官公庁へのシステム納入などで全国を飛び回った。同社の取締役や、スポンサーとなった東京五輪の渉外担当も務めた。「営業の極意は、自分自身が常にオープンで嘘をつかないこと。そうすればお客様が導いてくれる」と笑顔を見せる。
○…3人の孫の「おじいちゃん」でもある。「この前、久しぶりに山口県に住む孫に会えました」と目尻を下げる。「孫たちが生きていく時代が明るいものであってほしい。それには強い志を持ち、国と国民のことを真剣に考えるリーダーが必要。そういう人材をこの場所から世界に送り出したい」
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