フォトグラファーとして個展を開催し、写真集も発行する 大門 美奈さん 汐見台在住 41歳
失敗が導いた新境地
○…東京から夫婦で引っ越して4年、毎日のようにカメラを携えて足を運ぶ場所がある。浜須賀交差点近くの自宅から徒歩3分の海だ。漁師、サーファー、散歩する人、目的はないけれど海の様子を眺めに来る人…。「そこに行けば、名前や年齢も知らない顔見知りが誰かいる。私にとって安心できる場所が浜なんです」
○…フォトグラファーとして、『浜』を冠にした写真展を10月18日(木)から24日(水)まで銀座・キヤノンギャラリーで開催する。名古屋、大阪と場所を移して続く個展は、4回目にして最大の挑戦。浜辺の人や風景をモノクロで表現した。「景色はいつまでも不変ではない。人が新しく来たり、反対にいなくなったり。日常の浜を、写真を通して心に留めておいてほしい」と思いを語る。さらに、写真集『浜』の販売も11月から始まる。
○…横浜に生まれ、絵を描くのが好きな少女だった。母をして「扱いづらい」と言わしめたほどこだわりが強い性格だ。高校時代、絵から写真へと興味は広がり一眼レフを手にした。東京農業大学で都市計画を学び、卒業後は輸入食材を扱ったりWEBのデザインをしたり、営業も経験した。趣味の域を出なかったカメラに、熱を込めたのは30歳の頃。知人から結婚式の撮影を依頼されて大失敗。設定がずれたまま撮影を続け、差し出せるものは1枚もなかった。以前から考えていた写真教室へ通う決心がついた。
○…自身の写真が公募展で採用されたことを機に、2011年からフォトグラファーとして活動。舞い込む仕事も増え、「大門さんっぽい写真を撮って」と唯一無二の存在となりつつある。「写真の魅力は早さ。”あっ”と思った瞬間にその場の雰囲気や表情を残せる」。事前準備を万端に、その一瞬を刻んでいきたい。
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