大きなカンバスに迷いなく入っていく色とりどりのアクリル絵の具。溢れるイメージを筆に乗せ、独自の感性で描き上げているのは市内在住の長友孝樹さん(18)だ。先天性の弱視ろう(見えにくく聞こえない)という障害を乗り越え、11月14日から個展を開催する。
「息子は目と耳の障害で情報を取り入れる力が弱かったので、情報を発信する方法、つまり自己表現が苦手だったんです」と、母親の由佳子さんは話す。言葉(手話)や文章で表しきれない自分の思いを、子どもの頃から絵という手段で表現していたという。
長友さんが藤田昭子さんの主宰する波の子造形教室と出会ったのは小学校中学年の時。「個性を伸ばす」という藤田さんの指導に触れ、黒っぽいものが多かった長友さんの絵は、見違えるように明るい色で描かれるようになった。
平塚ろう学校を卒業した長友さんは地域作業所で働きながら、同教室や自宅で筆を取る。今、好きで描いているのは地図や地域をモチーフにした絵だ。
大好きな友達が住んでいる地域と自分の想像を結び付け表現している。描いていると、どんどんイメージが湧いてくるそうだ。
「今後は”未来”をテーマにした絵を描きたい」と、話す長友さん。初めて開催する個展も楽しみにしており、藤田さんも「同じ障害で悩む子たちの励みになってくれれば」と期待を寄せる。
個展「長友孝樹展」はギャラリーぶたのしっぽ(大磯町大磯1292・とんかつ はやし亭内)で開催される。11月14日(木)から19日(火)の午前11時から午後6時(最終日は5時)まで。約10点の作品が展示される。
問い合わせは長友さん【電話】0463・73・8338。
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