西八幡に事業所を構える株式会社パイロットコーポレーションは、敷地内に開設した蒔絵作品資料館「蒔絵工房NAMIKI」を1月15日から一般公開する。
万年筆の国内シェアトップを誇る同社。1948年に旧海軍火薬廠跡地に平塚事業所を開設して以来、同社の万年筆は全てここで生産されている。中でも特徴的なのが、漆を使った工芸「蒔絵」を施した万年筆だ。元は大正期、当時主流だった金属軸やエボナイト軸に代わる日本独自の技術として、万年筆のボディに漆を使用したことがきっかけだという。海外輸出用でヒットすると、更なる品質向上を目指し、1931年に漆工芸家の松田権六氏を中心に蒔絵作品の創作集団「國光會」が結成された。後に松田氏は人間国宝に認定。以降、同社では人間国宝を含む蒔絵職人が直接生産に携わっている。
今回開設した資料館は、この「蒔絵万年筆」に特化した展示となっている。1930年にアルフレッド・ダンヒル社と契約締結し、紳士用高級万年筆として売り出された「ダンヒル・ナミキ万年筆」など、生産が始まって間もない大正期の貴重な品をはじめ、周年記念で限定販売されたコレクターズアイテムや、人間国宝が手がけた蒔絵箱など約50点が常設展示される。
展示の目玉の1つは、人間国宝認定の職人が「社内蒔絵師の後継育成のため技術を継いでもらいたい」と作成した非売品の蒔絵万年筆だ。常設展示は初となる。
資料館は、同事業所敷地内に残された旧海軍火薬廠時代の建築物で、社内では通称「レンガ棟」として知られる。蒔絵師の作業場としても使用されており、窓の外から作業風景を見学することができる。
入館無料で事前予約制。土・日・祝日は休館のほか、臨時休暇もあり。予約・問合せは同館【電話】0463・35・7069へ。
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