学校法人東海大学は1月31日、大磯町月京にある医学部付属大磯病院の運営を2023年2月28日をもって終了すると発表した。同年3月から医療法人徳洲会(大阪府)に事業継承することで基本合意しており地域医療の継続性は保たれるとしているが、地域からは急な発表に驚きや不安の声も上がっている。
大磯病院は、同大医学部付属の4病院のうち3番目の病院として1984年に開設。23診療科・病床数312床を備える地域の中核病院として、急性期医療から在宅医療との連携に至るまで40年近く地域医療の一角を担ってきた。
近年の少子高齢化や人口減少の進行などの影響で地域の急性期医療を取り巻く環境が大きく変化していることから「今後、経営状況の好転が見込めない」と判断。大磯病院の運営を終了し、本部にあたる伊勢原市の医学部付属病院へ経営資源を集約することを決めた。
事業を引継ぐ医療法人徳洲会は、全国に病院や診療所、介護施設などを展開する徳洲会グループ。事業継承には官公庁による各種許認可の承認などが条件となるが、承認が得られれば現在地で引き続き新病院が運営されることになる。学校法人東海大学は「原則として現行の診療体制を維持する計画であり、当面の間、本学から複数名の常勤医師を派遣する予定。これまで通り安心して受診頂けるよう調整していく」としている。患者を対象にした新病院の説明会も開催予定という。
地元の反応
地域住民の間では、以前から同院の存続を心配する声があった。2年前に同院と大磯町が町有地の売買契約を巡り争った訴訟が和解した際には、議会で病院の存続に関する一般質問も出た。今回の発表を受けて、町民から病院が変わることを不安視する声がある一方で「病院がなくなるわけでないのなら」と前向きに捉える声もあった。町には昨年末に病院側から事業継承の交渉を進めていると大枠の説明があり、詳細は発表と同日に受け取ったという。町は「中核病院として地域医療の継承を穏やかに進めてもらいたい」としている。
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