平塚市は2月9日、2024年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比14・4%増の1002億5千万円で、初の1千億円を超える予算規模となった。中学校給食の実施に向けた学校給食センターの整備事業費など子育て、教育関連分野への予算配分を手厚くし、市制100周年を見据えて「積極的な未来の投資」を意識した予算編成とした。
歳入は、4割以上を占める市税収入が442億8220万円で1・3%(5億6877万円)増加。個人市民税は定額減税の影響で11億円以上の減額となるものの、製造業を中心とした業績改善や、企業の設備投資による法人市民税と固定資産税の増収が補った。
市債の発行額は67億2800万円。前年度より38億8100万円(136・3%)増えた一方、既発債の償還が進むことで24年度末の市債残高は3億2900万円の減少を見込む。
自主財源は、市税や繰入金などが増えたことで前年度比41億円の増加となったが、市債発行額や物価高騰対策に充てる国からの交付金などが膨らみ、依存財源の総額は85億円増えた。財政基盤の安定性の指標となる自主財源比率は3・4ポイント落ち込み、56・2%となった。
歳出は、給与やボーナスの引き上げなどで人件費が4億5千万円以上かさんで176億3418万円。扶助費も電気・ガス・食料品等価格高騰重点支援給付金給付事業などで24億円近く増え、291億3414万円に上った。公債費を含めた義務的経費の割合は、歳出全体の54%を占めた。
投資的経費は、今年9月に稼働する学校給食センターの整備事業費を中心に約2・18倍の増加となる89億4714万円だった。
自治体の貯金にあたる財政調整基金は前年度比で約7億円増加し、24年度末の見込み残高は約63億円。
男性育休、奨学金返済などに補助金
主な事業では、24年度に策定する次期総合計画に基づき33の施策を挙げた。中でも目立ったのは、子育て支援に向けた関連予算だ。
新規事業では、不妊治療について先進医療など保険適用外となる治療を併用した際に、1回あたり5万円を補助(39歳まで年6回、40歳以降年3回)する。
子どもの出生後8週間以内に4週以上の育休を取得した男性従業員には、10万円分の現金もしくはスターライトマネーを交付。市内で正社員として働く満29歳以下の市民に対し、奨学金返済を最大10万円、5年間まで補助する支援も行う。
学校給食センター落合市長「子育ての力に」
子育てや教育分野への積極投資が目立った平塚市の当初予算案。中でも象徴的なのが、総額56億円に上る市給食センターの整備に伴う関連事業費だ。9日の記者会見で落合克広市長は、「時間はかかったが、完全給食を始められることになり感慨深い。平塚の子育ての力になることを期待したい」と語った。
市内田村に整備する同センターは、現在の共同調理場2施設を統合して中学校15校と小学校21校分の給食を賄う。1万5千食の調理能力は、提供食数が県内最多となる川崎市の南部学校給食センターと同等の規模となる。
給食を一括して調理し、各学校に配送する「センター方式」を導入する県内の自治体は、平塚のほかに川崎や相模原、小田原、秦野、厚木など9市。他の提供方式と比べてコストはかかるものの、適温での提供や地産地消など柔軟な献立に対応できるといったメリットがある。
落合市長は「平塚には(市内産米の)はるみもあり、地元のお米や野菜を提供することで食育にもなる」と話す。これまでの共同料理場にはなかった炊飯機能が備わることで、「災害時における食への対応もでき、大変貴重な意味のある給食センターになる」と強調した。
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