東日本大震災が起きた2011年3月11日から、間もなく13年を迎える。阪神淡路大震災や元日に発生した能登半島地震など、度重なる大規模な地震災害は一人一人の防災意識を高めるための教訓をもたらした。やがて来る「その時」に、どのように備えるべきか。防災を自分事としてとらえることが、自身や家族、身の回りの人々の命を守る第一歩となる。
「旧耐震」家屋倒壊相次ぐ
能登半島地震で大きな被害を受けたのが、古い木造住宅だ。1981年の「旧耐震基準」で建てられた家屋が相次ぎ倒壊。石川県が公表した死者のうち、9割が家屋倒壊によるものだったとされる。
平塚市は
平塚市が策定した耐震改修促進計画によると、市内にある旧耐震基準で建てられた戸建て住宅は、2020年度時点で約1万3200戸。うち耐震性がないとされる家屋は7300戸あり、耐震化率は87・9%、共同住宅を含めると92・5%だった。
同計画では、耐震化率を25年度までに95%、30年度までに100%に引き上げる目標を掲げている。震度6強から7クラスの大地震が発生した際、倒壊の危険が極めて高い旧耐震基準の木造住宅。市は耐震改修を進めるため、対象となる木造住宅に対して耐震改修費用を補助している。
耐震化は、【1】耐震診断【2】耐震改修設計【3】耐震改修工事という手順を踏むことになる。市の制度では、【1】は全額補助、【2】【3】には合わせて最大101万円が交付される。
市によると、22年度の耐震診断件数は97件だったが、耐震改修設計は25件、耐震改修工事は21件にとどまった。工事の目安は150万円から200万円程度とされ、補助制度を利用しても数十万円の負担が必要となることや、所有者の高齢化なども工事件数が伸び悩む要因とみられる。
市建築指導課では「駅周辺など旧市街をはじめ、旧耐震の住宅がまとまった地域も多い。引き続き補助制度の利用促進を図りたい」と話している。
市、「マンホール型」設置急ぐ
能登半島地震の被災地では水道をはじめとしたライフラインの復旧が遅れ、倒壊を免れた家屋や避難所で暮らす人々に大きな影響を及ぼした。
中でも深刻だったのがトイレ問題だ。衛生環境の悪化は災害の二次被害につながる恐れもあり、防災用トイレを整備する動きが自治体の間で広がっている。
市でも「マンホールトイレ」の整備を加速させる考えだ。来年度には、市内10カ所の小中学校(花水小、崇善小、大原小、真土小、豊田小、山下小、太洋中、中原中、神田中、金旭中)で設置を予定。21年度から23年度にかけて整備した9カ所と合わせると計19カ所となる。
市が設置するマンホールトイレは、排水管の先に貯留槽を設けた「貯留型」と呼ばれ、プールの水などを用いて排泄物を流し、貯留槽にためることができる。市によると、500人の汚物3日分を貯留できるという。
市では27年度までに、避難所となる市内施設44カ所で設置を完了させる計画だ。
|
<PR>
平塚版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|