低出生体重児の家族会として、当事者の支援に向けた活動を行う「かながわリトルベビーサークルpena」が、3月14日に県のかながわボランタリー活動奨励賞を受賞した。坂上彩代表は「手探りでやってきた活動を、県から評価していただいたことで自信につながった」と受賞を喜んでいる。
県からは、同じ立場の人が集う場やSNSでの交流の機会を設けるだけでなく、小さく産まれた赤ちゃんたちについての啓発活動や情報発信に取り組んでいる点が評価された。坂上代表は「頑張ってきた活動が認めてもらえたことは、リトルベビーの存在が認めてもらえたこと。支援の必要性が理解されたと思う」と受賞の意義を話す。
当事者として
坂上代表自身も、370グラムで生まれた娘を育てる当事者の一人だ。2021年7月、県内で2500グラム未満で生まれた低出生体重児の家族会を設立。現在、約80人が在籍している。月に1、2回の交流会や勉強会を開くほか、県内各地で写真展を開くなど啓発や情報発信に力を入れ、「母親たちの居場所」づくりに取り組む。
「ひとりじゃない」
同サークルでは、1500グラム未満の極低出生体重児を対象とした母子手帳のサブブック「リトルベビーハンドブック」の作成を県に要望し、昨年8月に完成。一般の母子手帳には記録する欄がない1000グラム未満の体重や、子どもの発達について「できた日付」などを記録でき、自身の経験を元に「ひとりじゃないよ」という先輩ママとしてのエールを込めたという。
行政との懸け橋に
昨年9月にリトルベビーハンドブックの配布が始まってから、サークルの知名度も上がり、参加者も増えてきたという。「子どもの特徴によって悩みも違う。自分たちが悩んでいたときに助けてもらったものを返したいと思っている人が多く、子どもが成長しても籍を置く人もいる」と自然にボランティアの輪が広がっている。
一方で、小さく生まれた赤ちゃんを育てる母親は受けることができないサポートも多いといい、坂上代表は「今後も県との懸け橋になれるよう活動していきたい」と拡大に意欲的だ。
同表彰は、地域社会への貢献度が高く、さらに継続発展が期待できる活動に取り組んでいる団体を表彰するもの。今年度は20件の推薦があり、同サークルの他に県内から4団体が選ばれた。
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