2016年度に開館25周年を迎える平塚市美術館では、美術鑑賞を通じて子供たちの発想力や思考力などを育てる「対話による美術鑑賞」事業を開始する。2月19日、同館に城島小学校の6年生児童37人を招いた鑑賞授業が行われた。
「対話による美術鑑賞」は、作品について児童らが語り合う教育プログラム。自分の考えを言葉にし、互いの意見を共有することで感受性を高め、観察力や表現力、コミュニケーション能力などを磨くことなどが狙いだ。
プログラムは作品の解釈や技法などを講師が解説するギャラリートークと異なり、児童らの考えを「引き出す」ことに重点が置かれている点が特徴。同館では、進行役を教員や美術の専門家ではなく、対話テクニックなどの訓練を積んだボランティアチーム「ひらビーあーつま〜れ」が行う。昨年秋に第1期募集を行い、選考と研修を経て16人が活動を開始した。
草薙奈津子館長の就任を機に、同館は「開かれた美術館」を掲げ、切り口を工夫した展示や市民参加型のワークショップなどに約10年をかけ取り組んできた。「地域の方々の応援もあり、入館者数も回復を見せている」と同館。25周年の節目に、地域の生涯教育機関として「教育事業」の強化という新たなステップに踏み出す。
「美術館は第2の教室」
来年度からの「対話による美術鑑賞」事業本格開始を前に、同館は2月19日、城島小学校の児童を招き初の対話鑑賞授業を行った。
児童は事前に学校で、ボランティアスタッフらと同館に収蔵されている作品のカードなどを元に意見交換の練習を行った。
美術館では、6人ほどのグループに分かれ現在開催中の「物語る絵」展を回り、実際の作品の前で、「鳥がいる」「赤と黒が多くて怖い感じがする」など、作品から感じた印象や気付いたことなどを話し合った。
同館は「美術館は第2の教室。実物の作品を見て、周りと意見を共有する中で、子どもたちの心が育ってくれれば」と話した。
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