平塚市博物館は秋季特別展「よみがえる少年の日々―佐草健ボールペン画展―」を3日から開催する。松原小やみずほ小で校長を務めた故・佐草健さんがボールペンで描いた絵画70点や大絵馬の立体作品等も展示される。
佐草さんは1926年に市内中原の農家に生まれ、長く教師として横浜市や平塚市で教鞭をとった。晩年は幼少期の記憶をもとに中原の原風景などを描き、2017年に91歳で死去した。作品の多くは息子が所蔵していたが、中原小学校に展示していたものを博物館に関わりのある公民館の職員が見つけ、今回展示に至った。
特別展では昭和初期の中原の風景を中心に展示。子どもたちが新川で泳いでいる様子や、楽器を鳴らして街を練り歩くチンドン屋の姿、平塚空襲で爆撃された街並みなどが黒のボールペンで描かれている。
思い出を絵に
佐草さんの家族によると、佐草さんが絵を習った経験はないとのこと。教え子からは「教師生活では書道や図工に力を入れていた」という声があがったという。いつごろから絵を描いていたかは不明で20代の時にスケッチをとっている写真が残されている。70代になると「子どもの頃の思い出を残したい」と美術作品として描き始めた。
佐草さんは祭りが好きで、地域の太鼓保存会を設立したり中原日枝神社の氏子総代になったりと地域に深く関わった。その縁で同神社の縦横1m超の大絵馬に徳川家康が鷹狩を見て楽しむ姿を描いて、奉納している。
同館の学芸員・浜野達也さんは「平塚の昭和10年代を伝える資料としてとても貴重」と話す。今回の展示にあたり、作品の時代背景を確認するため家族や佐草さんの同級生、教え子にも話を聞いたという。
10月3日〜11月29日。入館料無料。月曜日休館(祝日の場合はその翌日)。問い合わせ【電話】0463・33・5111。
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