人材育成などで連携 大磯町と東海大学が協定締結
地域社会の発展と学術文化研究の振興、人材育成を目的に、大磯町は東海大学(平塚市金目)と連携・協働する協定を結んだ。9日に同町郷土資料館で「包括的な提携に関する協定書」の調印式があった。今後、生涯学習や健康づくりに関するアドバイスと講師の派遣などで相互に協力を進めていく。
調印式には大磯町から中崎久雄町長と依田勝也教育長ほか、東海大学から高野二郎学長、田中康夫副学長、吉井文均東海大学医学部付属大磯病院院長らが出席した。中崎町長と高野学長は協定書に署名し、握手を交わした。
東海大学との提携について中崎町長は「大学の英知を町のなかに入れ、大磯町を発展させていきたい。東海大学との綿密な提携は、実り多い将来に向かって進んでいくものと信じる」と述べた。高野学長は「伝統と歴史のある大磯町と協定を結べたことは大学にとって大きな誇り。教育・研究とともに社会貢献・国際貢献は当大学の使命であり、地域との連携は社会貢献にあたる。大学が持つ専門的な知識・技術を大いに発揮し、相互に発展していきたい」と語った。
協定によって今後、町が設置する審議会や委員会へ大学側からの人材派遣、行政施策立案に対する助言、保健・福祉・医療の推進、大学の学術研究への行政情報の提供などで連携を図る。また、同町と同大学の間では2005年から町立図書館と大学図書館の相互利用を行っており、このような町の施設と大学施設の相互利用でもさらに協力していく。
今回の協定締結は昨年2月に大磯町が東海大学側へ提携を呼びかけ、双方の担当者レベルで打ち合わせを重ね、約1年かけて実現した。中崎町長が元大磯病院院長という縁もあった。
一方、湘南キャンパスがある平塚市、秦野市とすでに人的交流や施設相互利用で協定を結んでいる同大学は産官学連携を積極的に進めている。「学生は学内で専門教育を受けるだけでなく、幅広く地域と関わり、能力・思考を広げる必要がある。社会に学生を育ててもらう意味もある」と高野学長。地域と協働した取り組みで、その土地の産物をデザイン化して世に送り出すまちおこしに観光学部が参画した例があると話す。
「大磯町というフィールドで研究を行い、学生たちの若い力を町の発展に注いでほしい」と中崎町長は期待を寄せる。行政による人材育成の面から、町はインターンシップ(学生の就業体験)受け入れを検討していく考えだという。
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