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マイクロナノバブル 応用拡大へ小型生成機 二宮の久米さんら開発

公開:2013年6月7日

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開発にあたった(写真左から)荒木豊昭さん、花牟礼研一さん、久米社長、大松真朋さん。手前の装置が研究開発用ナノバブル生成装置。右端に見えるのは1tの『根活』が作れる大型製造機
開発にあたった(写真左から)荒木豊昭さん、花牟礼研一さん、久米社長、大松真朋さん。手前の装置が研究開発用ナノバブル生成装置。右端に見えるのは1tの『根活』が作れる大型製造機

 農作物の成長を促したり、水質を浄化させたりする作用があるマイクロナノバブル。この超微細な気泡を発生させる機器の小型化に二宮町の久米隆廣さんらが取り組み、研究開発用の生成装置を製作。特許を出願した。農水産業をはじめ、医療や薬品、工業などさまざまな分野での応用が期待される。

 手がけたのは久米さんが代表取締役を務めるアースリンク(平塚市)の社員たち。同社はマイクロナノバブルとミネラルを含んだ農業用活性水『根活』(特許取得済み)を2年ほど前から独立行政法人産業技術総合研究所と共同で開発し、製造・販売を行っている。これを畑や野菜苗などに散布すると、病害に強い元気な作物が生育。品質向上や収穫量の増大にも効果があるとして、すでに使用した農家から好評を得ている。

 「伊勢原市のバラ農家では花芽の出や花の色が良くなったという報告があった。農薬や化学肥料に頼らない農業の普及につながれば、安心安全な食を消費者へ届けることができる」と久米さん。

 マイクロナノバブルとは、通常の気泡の1千分の1以下の超微細気泡。マイナス電荷を帯びた気泡がプラス電荷を持つ土中の栄養素を引き寄せ、植物の根毛に送ることで植物の成長を促進させるのだという。広島のカキや真珠貝の養殖、アオコが発生した湖沼の水質浄化などでは十数年前からこの技術が活用されていた。

 また、最近では半導体の洗浄、介護施設での衛生管理や消臭に用いたり、薬剤を使用する美容師が手荒れ改善に使用したりするなど、活用法は多岐に広がっている。

 こうした可能性から、企業や大学の研究室などがマイクロナノバブルに注目。開発・試験用にマイクロナノバブル含有水を少量ずつ使用したいという研究機関の要望に同社が応え、大型製造機の性能と同等の性能を備えた研究用小型生成装置を創り出した。

 「製作した機器がどのように使われるのか我々も楽しみ。マイクロナノバブルの応用範囲が拡大し、いずれは人の役に立つものが開発されることを望んでいる」と久米さんは話した。
 

カボチャの実験例写真上は水道水を使用。下はマイクロナノバブル含有水を使用したもの。根っこの張り具合に違いがある。(写真提供/アースリンク)
カボチャの実験例写真上は水道水を使用。下はマイクロナノバブル含有水を使用したもの。根っこの張り具合に違いがある。(写真提供/アースリンク)

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