大磯の町民有志が、県内でも数少ないアイガモ農法による米作りに挑戦している。水田の雑草や害虫を食べてくれるアイガモの世話を担当している川路勇さんは、残暑の日差しが降り注ぐ西小磯の田んぼで、小さな相棒たちとともに秋の収穫に思いを馳せる。
米作りを行っているのは大磯海岸で地引網を行っている台舟(だいふね)の有志メンバー。無農薬の米作りは今年で4年目となる。休耕田の活用とともに、自分たちで稲作と収穫を楽しむために始めたが、現在では大磯市で米を販売するほか、地引網客へのもてなし料理にも使われている。
九州で生まれた川路さんは、実家が農家だったこともあり、米作りに積極的に参加していた。大磯での稲作は「無農薬だったから、毎年雑草とりや防虫対策が大変だった」という。
そこで今年から、アイガモ農法に初挑戦。アイガモたちの世話やしつけの方法は、全て独学で勉強したという。地引網で使えなくなった古い網を活用し、竹や板と組み合わせた鴨小屋も仲間との手作りだ。
アイガモたちの仕事は毎日午前10時頃と午後4時頃だ。小屋の扉が開かれ、48羽のアイガモたちが我先にと稲の間に消えてゆくと、風の駆け抜ける水田には「ガーガー」と元気な声が響く。雑草や害虫を食べるだけでなく、アイガモたちが水田を程よく撹拌することで、稲にたっぷりの空気と栄養が送られる。川路さんは「しっかりと稲が育ち、とても良い出来ですよ」と満面の笑み。
6月に初めて水田に放った時は手のひらに収まるくらいの大きさだったアイガモたち。わずか2カ月ほどで1・5kgほどまで成長した。米の収穫は10月下旬から11月頃の予定で、アイガモたちは収穫直前まで米作りを手伝うという。
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