二宮町は2月上旬、居住者がいなくなった戸建て空き家の解消に向けて「空き家バンク」を開設した。物件の所有者と購入・賃借希望者の橋渡し役を担い、空き家を活用して町内への移住促進を図る。
空き家バンクは、一戸建ての空き家を所有する人が町ホームページ内の専用サイトに物件を登録し、買い手や借り手を募集する制度。空き家を有効活用することで、町内への移住を希望する人に向けた物件紹介につなげる。
町企画政策課の調べでは、町内の空き家は現在把握しているだけで194軒あるという。空き家の実態調査や適正管理に向けた検討委員会を組織し、バンクの活用を含めた空き家解消の取り組みを進めたいとしている。
バンクへの登録は無料で行え、申請を受けた町は現地調査で売却や賃貸に適しているかどうかを判断する。登録が完了すると、サイト上に物件情報が掲載される仕組みだ。
運用に先立ち、町は神奈川県宅地建物取引業協会湘南中支部と全日本不動産協会神奈川県本部西湘支部の2団体に対して、売買や賃貸借の媒介に関する協力を依頼。空き家所有者に対する物件の交渉や、制度を使って住宅を探す利用者との契約締結といった役割を委任する。
購入者に30万円補助も
同課によると、開設から約1カ月で物件の登録はゼロ。「購入や賃借を希望する人からの問い合わせは増えている」と、空き家に対する関心の高さを感じていることから、需要に対して物件の供給体制を充実させることが課題となる。
町では、各種補助金を交付して利用促進を目指す考えだ。購入者には取得に要した費用30万円▽賃貸者または賃借者には10万円を上限に住宅改修費用の2分の1▽賃貸者には契約年度の固定資産税相当分10万円▽賃借者には家賃の3カ月相当分10万円をそれぞれ助成。2016年度の予算案に、バンクの運営や補助金関連経費など約208万円を盛り込んだ。
同課では「ホームページや広報などで、空き家バンクの周知を図っていきたい」と話している。問い合わせは同課特定課題担当【電話】0463・71・3311。
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