山本さん（写真手前）の指導でヨガを行う参加者
大磯町の妙輪時で、本堂を会場にしたヨガのレッスンが行われている。インストラクターの山本奈津子さん（36）が、寺の檀信徒らを対象に無料で開催。参加者は、座禅とは違った形で自身の心身と向き合っている。
「呼吸を整えながら、ゆっくりと腕を伸ばしましょう」――厳粛な寺の本堂に、山本さんの穏やかな声が響く。３月５日のレッスンには12人の檀信徒が集まり、山本さんの動きを手本にしながら約１時間、ヨガの世界に身を委ねた。
「寺ヨガ」は、ヨガ・ピラティスインストラクターの山本さんが昨年夏に始めた。毎月第一土曜日に開く檀信徒向けの無料レッスンを始め、妊婦向けの「マタニティヨガ」、姿勢改善などを目指す「美姿勢エクササイズ」などの有料レッスンを、数人の女性インストラクターと共に行っている。
熊澤吏樹（りじゅ）住職（40）は「お寺で地域住民のために何かできないかと考えていたところ、たまたまご縁がありまして山本先生と出会い、意気投合して寺ヨガが生まれました」と話す。熊澤住職は海外の大学で内科学や東洋医学を学んだ経歴を持ち、現在も医療機関に勤めながら住職に就くことから、参加者の健康につながればと会場提供を快諾した。
ヨガはインドで生まれた修行法の一つで、仏教と深い関わりがあるとされる。日本でもダイエットやアンチエイジングを目的に流行を見せるが、「本堂で行うヨガは、エクササイズというよりも『プチ修行』のような体験と考えています」と熊澤住職。山本さんも「自分のことを観察して心の状態を知ることができるヨガは、仏教の考えと似ていると感じます」という。
参加者は高齢者を中心に、20代や30代の若年層まで幅広い。娘と参加している小泉美智さん（79歳）は「ヨガを始めて呼吸が楽になった。体を自然に動かす方法が分かるような気がして、普段の生活にも役立っています」と喜ぶ。
同寺では４月から、檀信徒に関わらず65歳以上の町内在住者に向けた無料の寺ヨガレッスンを開く予定だ。毎月第三金曜日の午前８時30分〜９時30分。予約不要で定員先着20人。
問い合わせは山本さん【電話】０４６７・９８・３４８５。
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