歌川広重が浮世絵の連作『東海道五十三次』で描いた「虎ヶ雨」のパネルが3日、JR大磯駅構内に設置された。三ツ石孝徳大磯駅長や栗原匡賢大磯副町長、大磯町観光協会の井上浩吉会長らが除幕を行い、町の玄関口を飾る広重作品のお披露目を祝った。
JR東日本横浜支社の発足20周年を記念した事業。大磯をはじめ川崎や戸塚、藤沢、平塚、小田原など、かつて東海道の宿場町があった沿線8駅に、広重が東海道五十三次で描いた各地ゆかりの浮世絵パネルを設置している。
大磯駅では改札前の壁に飾られ、パネルサイズは縦1・4m×横2m。制作には、原画を保有する「川崎・砂子の里資料館」(川崎市)が協力した。
「虎ヶ雨」は左奥に海、右奥に丸みを帯びた山裾がのぞき、黄みがかった空から降る雨の中、宿を目指して松並木の街道を歩く蓑笠姿の人々や馬子の姿が描かれている。東海道五十三次で雨を描いた作品は珍しく、曽我物語で知られる曽我十郎の死を悼み、恋人の虎御前が流した涙雨を表しているといわれる。
除幕式に参加した栗原副町長は「絵柄が素敵でよく目立っている。駅を利用する観光客に、大磯の歴史をアピールできるのでは」と話した。除幕式当日に駅を利用した50代の男性は「広告看板がない大磯駅のイメージを損なわない、いい作品ですね」と作品を眺めていた。
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