旅行業法に抵触する恐れがあるとして、川崎市、平塚市などが子どもたちのキャンプや交流事業を中止したことを受け、各自治体は対応を迫られた。二宮町は、夏休みの野外研修など3つの事業を中止。申し込み者へ謝罪と参加費の返金をした。小学生の訪問団を山形県に送り出している中井町は旅行業者に委託する方法に改め、予定どおりに交流事業を実施する。
旅行業法は、不特定多数に募集をかけてツアーを行うには国や都道府県に登録した旅行業者でなければならないと定めている。登録業者ではない自治体や実行委員会が旅行を取り扱うことは同法に反するという指摘があり、事業の中止・変更を求められる事態になった。
二宮町が10日に中止を発表した長野県高山村との地域間交流事業は、8月5日と6日に実施される予定だった。親子19組39人が行けなくなり、11日までに全員に参加費全額が返金された。
担当の地域政策課は来年度以降について、受け入れ先の高山村のことも考えながら検討していくという。「組織を持ち、さまざまな協力を得ながら実施してきた事業なので続けていきたい」。二宮町民を迎える準備をしていた同村は中止の連絡に戸惑いの様子だった。
今年で43回目の子ども野外研修は22日から丹沢湖ロッヂで1泊2日のキャンプを予定していた。参加を申し込んだのは、小学6年生98人とボランティア73人。中止決定後、町生涯学習課の職員が小学校3校で対象児童に事情を説明し、謝った。お詫びと参加費の返金をするため、11日から各世帯を訪問。14日時点で3件の問い合わせが来たが、苦情や抗議の連絡はなかったという。
2泊3日の共同生活で自主性などを養うジュニアリーダー養成研修会は8月11日から日程が組まれ、中学生から20歳位までの青少年4人が応募していた。
これら3事業を同法に抵触しないよう実施する場合、旅行業者へ委託して一から募集をやり直す必要がある。しかし、業者委託には新たな予算が必要で、日数にも余裕がない状況では難しいと町は判断。「顧問弁護士にも相談したうえ、他の模範となって法を順守するべき立場の行政として今年度の事業は中止することを決定した」と説明する。
山形県戸沢村と青少年ふれあい交流事業を行っている中井町では、小学6年生が冬に同村を訪れ、雪国の生活や文化などを体験している。町教育委員会は「やめる考えは持たず、県に問い合わせて問題がないやり方に変更した」といい、募集窓口を町から旅行業者に変えることで対応。申し込みが済んでいた参加者に対する説明会を13日に開き、改めて業者に申し込みをしてもらうように依頼した。
大磯町は、旅行業法に触れるような事業はないことを確認したという。
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