大磯町の町立中学校2校で給食の食べ残しや異物混入が相次いだ問題で、町議会は9月定例会最終日の9月29日、中学生の昼食環境改善などを求める決議案を賛成多数で可決した。給食に関連した報道で生徒の生活環境に影響が出ていることや、町が異物混入の報告を怠っていたことなどを問題視。町長に対する町民への謝罪要求も盛り込んだ。
大磯町の中学校給食を巡っては、残食率が全国平均を大きく上回り異物混入も相次ぐなど混乱を招いていた。一連の問題を受け、渡辺順子議員ら8人は「中学生が安心して昼食を食べることができる環境整備を求める決議」を議会に提出。【1】町長と教育委員会が一体となって昼食環境を整える【2】町長は町民に謝罪する―ことを要望した。
決議案は13人中10人の賛成で可決し、中崎久雄町長は「町と教育委員会の対応が不十分で、危機管理の欠如といわれても返す言葉がない」と述べ、「子どもたちに精神的な負担をかけてしまったことは痛恨の極みであり、ざんきに堪えない」と謝罪した。
給食業者業務委託継続一転、契約解除へ
給食の調理配送業務を委託している綾瀬市の業者については、契約解除に向けた話し合いに入っていることも明らかにした。
町は9月20日に行った会見で、異物混入の原因が特定されるまでは業者を変更しない考えを示していた。しかし、業者が取引先の私立幼稚園などに配布した文書で「選択制であれば、食べたくなければ注文しなければいいで済んだ話」「反対派からのリークによってこのような騒ぎになった」など、町への批判や責任逃れとも受け取れる説明を行っていたことなどを重く見た。
同20日からは、当面の措置として両中学校で弁当の持参を認めており、6割以上が給食から弁当に切り替えているという。一方で給食を継続している生徒が300人近くいることもあり、中崎町長は委託先の変更も含めて「10月中に結論を出す」とした。
定例会最終日は2016年度の各会計決算審議が行われたが、給食問題を受けて一般会計決算が不認定となる異例の事態に。反対討論を行った議員からは「町長も教育委員会も、事の重大さを軽く見ていたと言わざるを得ない」「自校方式の調査を行うなど、抜本的な見直しを求める」といった厳しい声が上がった。
中学校給食の導入は、14年に再選した中崎町長が選挙公約に掲げた政策の一つ。業者が調理と配送を行う「デリバリー方式」を採用し、16年1月から始まった。
しかし実施初日から髪の毛の混入が見つかるなど、今年7月までに84件の異物混入が発覚。うち15件は、町が業者による製造過程で混入したものと判断した。生徒からは「冷たい」「味が薄くてまずい」といった声も聞かれ、残食率が26%に上ることが問題となっていた。 【10月2日起稿】
大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|