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大磯町東の池 ハスの名所 水抜き調査 外来生物駆除などで環境改善へ

社会

公開:2018年1月26日

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外来生物などの捕獲を行う県職員ら(上)と、回収された不法投棄物
外来生物などの捕獲を行う県職員ら(上)と、回収された不法投棄物

 毎年夏になると水面を覆うように咲いていたハスの花が3年前から姿を消した大磯町生沢の「東の池」で17日、外来生物の除去や水質改善のために水を抜く「かいぼり」が行われた。

 東の池での水抜き作業は約30年ぶり。生沢東水利組合(吉川道明組合長)の関係者や町・県の職員ら30人ほどが参加し、昨年末から排水を進めていた池で生物の捕獲と不法投棄されたごみの回収などにあたった。

在来種の生息 フナのみ

 見つかった外来生物は、体長70cmほどのライギョをはじめ、ブルーギル270匹、アメリカザリガニ193匹、オオクチバス(ブラックバス)12匹など。食用としてアメリカから持ち込まれたウシガエルの繁殖も確認され、生息する在来種はフナだけだった。県水産技術センター内水面試験場の勝呂尚之主任研究員は「この池は外来生物の巣窟のような状態」といい、本来の生態系を取り戻す必要性があると指摘した。

 ハスの花が咲かなくなった原因はこれまで特定されてこなかったが、この日の調査では腐った状態の根が数本見つかった。県農業技術センターの職員は、池の中の酸素不足や堆積した有機物から発生するメタンガスがハスの生育を妨げている可能性を挙げ、「水抜きで池の底に日光が当たり空気に触れることで、水質は改善に向かうのでは」と話した。ハスの種が池に残っていれば、数年後に再び発芽して花をつけることも考えられるという。

 水を抜いた池は1カ月ほどかけて天日干しにする。国府本郷に住む60代の夫婦は「ハスの花を見に来るのが毎年の楽しみだった。咲かなくなった原因が特定され、またきれいな花が咲くように願っています」と作業を見守っていた。

 広さ約4千平方メートルの東の池は、農業用の貯水池として江戸時代に造られた。ハスの花は町や水利組合が管理しているわけではないが、初夏になると池を埋め尽くすようにピンク色の花が咲き、地域の風物詩として親しまれていた。2014年を最後にハスの花がこつぜんと姿を消したことで、農家や周辺住民からは水質を心配する声もあったという。

 池の調査に向けては、昨年の町議会9月定例会で竹内恵美子議員が行った一般質問を受け、町が水利組合などと協議を行ってきた。町担当課では「定期的な環境整備を通して、水質や土壌管理を行っていけたら」と話している。

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