神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS

7年ぶり葛川にアユ 二宮の町民有志が調査

社会

公開:2018年9月21日

  • X
  • LINE
  • hatena
葛川で確認されたアユ=長田信夫さん撮影
葛川で確認されたアユ=長田信夫さん撮影

 清流に生息する魚として知られるアユが、二宮町の葛川に遡上していることが分かった。地域の環境美化に携わる町民が8月に調査を行い、確認した。町内でアユを見つけたのは7年ぶりで、今年はオイカワの群れもたびたび観察できるという。

 町民有志によると、今年初めてアユを観察したのは7月2日。二宮町消防署近くの仮宿橋から川底をのぞいて見つけたという。その後も複数の場所でアユを観察できたことから、確認のために町商工会館北側の倉田橋と新田橋の間で8月17日に調査を実施した。投網に3匹のアユが入り、体長は16〜17センチあった。

食物連鎖

 「アユの確認は2011年8月以来7年ぶり。アユが棲むには、きれいな水と川底の砂地、石にアユの餌となる苔が付着することが必要です」。ボランティア団体の葛川をきれいにする会と地域の環境を良くする会のメンバーで、調査を行った藤田尚志さんはそう話す。

 葛川の魚類調査を始めた17年前と比べると、水質が向上して泥だった川底が砂地に変わり、アユのほかにもアブラハヤやオイカワなど魚の種類も増えてきたという。「アオサギやカワセミを目撃することがあり、餌となる魚が増えてきたからでしょう」と藤田さん。

ヘドロ臭の川

 アユが棲めるくらいに葛川の水がきれいになった背景には、公共下水道の普及とともに町民ボランティアたちによる長年の環境美化への取り組みがある。

 「清掃活動で川に入ると、ヘドロの臭いが体に染みついてシャワーを浴びてもなかなか取れなかった」。ボランティアのひとりで樹木医の長谷川芳男さんは以前の葛川の様子を振り返る。自転車や家庭ごみが捨てられていたこともあった。

 地域の環境を良くする会では町内の牧場の協力を得て敷地を借り、水質を浄化する作用があるEM(有用微生物群)活性液を製造・培養。葛川と梅沢川に毎週およそ1トンを投入している。活動を開始した当時から水の透明度や臭い、COD(化学的酸素要求量)で大きな改善が見られた。

水量と魚道

 葛川のアユは毎年、大磯プリンスホテル付近まで遡上することが分かっている。藤田さんらは「大磯町から上流に遡上するにはかなりの水量が必要だと考えられ、遡上時期の5月ごろに大雨が降ると二宮町まで遡上することができる。魚道を整備して町内でも毎年アユの遡上を見られることを期待したい」と話す。

葛川にいたアオサギ=倉田橋付近で9月17日
葛川にいたアオサギ=倉田橋付近で9月17日

大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6

アンジェが全国3位

二宮町ダンススタジオ

アンジェが全国3位

コンクールに落語で挑戦

4月26日

「盲導犬すごい」の先へ

二宮在住板嶌さん

「盲導犬すごい」の先へ

共生社会 考える機会に

4月26日

絵本で地元の魅力発信

大磯中学校

絵本で地元の魅力発信

生徒有志が図書館に寄贈

4月19日

新名物に「高麗キムチ」

大磯町

新名物に「高麗キムチ」

地名から縁広げ商品化

4月19日

大磯在住 勝倉さん世界V

障害者プロサーファー

大磯在住 勝倉さん世界V

グランドチャンピオン目指す

4月12日

コロナ経て秘仏開帳

大磯町慶覚院

コロナ経て秘仏開帳

稚児行列も実施

4月12日

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

大磯・二宮・中井版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook