任期満了に伴い実施される大磯町長選挙(11月13日告示、18日投開票)に、町議の玉虫志保実氏(59)=東小磯=と、材木店経営の飯田修司氏(65)=大磯=が立候補する意向を正式に表明した。それぞれが10月15日に記者会見を開き、メディアの取材に応じた。(10月15日起稿)
15日までに同町長選へ正式に出馬表明をしていたのは、3期目を目指す現職の中崎久雄氏(76)のみ。9日に行われた立候補予定者事前説明会に出席した6陣営の中から、2氏がいち早く動いた。
「町民参加の町政を」
玉虫氏は「もっと住み良い町にしようと町議になったが、現町政の秘密主義、問題を指摘してもほとんど変わらないという状況の中で、トップが変わらないと町は変えられないと思った」と立候補を決めた。
学校給食問題を挙げ「思いつきのように方針が変わる今の状況では、いずれまた失敗する。大きなものを急いで進めるより、例えば配膳室を改装して小食堂を設けるなど、小さくとも一歩進めた対処をしながら、当事者である生徒や保護者が本当に必要とする提供方式を決めるべき」と持論を語る。明治記念大磯邸園については「まず全体の費用などの情報を明らかにしてから進めるべき」、その他の観光整備には「観光客は今の大磯の雰囲気を好んで来ている。身の丈にあった整備で十分」と訴えた。少子高齢化対策にも触れ「まずは内外に町のファンを増やす取り組みや発信が必要。自然や芸術など今ある町の魅力に予算とアイデアを注ぎ育てていくべき」と主張。「みんなが町を自分の家のように思って、一緒に考え、活躍できるまちづくりを進めたい」と述べた。
玉虫氏は同町出身。東京芸大美術学部卒。菓子製造・飲食店営業を経て2015年に町議初当選。
「当たり前の町に」
飯田氏は「以前から町政に関心があり議会傍聴などを続けてきた。町が多くの問題を抱える今、誰かが手を挙げなければ」と出馬の動機を語った。
町の問題点として「明治記念大磯邸園や大磯港みなとオアシスなどの観光ハコモノ」を挙げ「町民への十分な説明がなく進められ、大金がつぎ込まれている。海や山など既存の観光資源やシニア世代を活用することで、予算をかけずに人を呼ぶ方法はあるはず」と指摘した。昨秋からの給食問題については「対応に時間もお金もかけすぎている。全国に恥をさらしたのだから『日本一の給食にする』くらいの気持ちで取り組むべき」、東海大学病院との町有地売買契約問題については「町長がもっと早く町民に謝罪して対応すべきだった」、大磯駅周辺整備は「町民の理解が得られていない」と語り「町長に物を言えない、町長も聞かないという今の体制に全ての問題がある」と主張。「大磯は環境に優れ、都心へのアクセスも良い魅力ある町。この町で育ち巣立った子どもたちが、また戻ってきて暮らしたくなるような当たり前の町にしたい」と語った。
飯田氏は同町出身。明治大学文学部卒。大磯小中のPTA会長や左義長保存会会長などを歴任。
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