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太公望に愛され70年 大磯白キス投釣大会

文化

公開:2019年6月14日

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昭和20年代〜30年代初頭の大磯白キス投釣大会(大磯町郷土資料館提供)
昭和20年代〜30年代初頭の大磯白キス投釣大会(大磯町郷土資料館提供)

 時間内に釣り上げた白キスの体長を競う「大磯白キス投釣大会」が、6月9日に開催された大会で70回目を迎えた。1949年(昭和24年)のスタートから、毎年200人前後が参加してきた大磯で最も古い釣りイベント。昭和、平成、令和と時代を超えて太公望たちを魅了し続けている。

 日本で初めて開かれた白キス投げ釣り大会といわれる同大会。みとめや釣具店=大磯町大磯=の尾上正一さんによれば、当時、釣り好きの小説家や写真家、財界人、そして正一さんの父・榮吉さんも会員だった「大磯リール会」が町にもちかけて大会が始まったという。現在は大磯町観光協会の主催、大磯町や大磯二宮漁業協同組合らの後援で開催されている。

悪天候に苦戦

 70回大会が行われた9日は、朝から小雨がパラつくあいにくの空模様。それでも町内外から134人の釣り人が参加して、レインウェア姿で大磯こゆるぎ海岸から相模湾に向けて竿を振るった。

 時間とともに雨が収まったものの釣果はいまひとつ。白キスではなく、イシモチなど他の魚ばかり釣れる参加者もいた。正午に競技終了となり、10歳から80歳代までの参加者が、その日一番の大きさの獲物を手に期待を込めて計測に挑んだ。

 優勝したのは、18・6cmを釣り上げた川崎市在住の松井重夫さん(72)。大倉祥子観光協会長から優勝トロフィーと副賞の釣竿などを贈られた松井さんは「10回以上参加してきて、やっと入賞できたのでとても嬉しい。今年は5匹釣れたが全体的に小ぶりだったので優勝できるとは思わなかった」と喜びを語った。松井さんと一緒に大会に参加した釣り仲間の2人は「前回、前々回と私たちが準優勝していて『次は彼の番だ』と話していた。まさか本当になるとは」と驚いていた。

 大会の審査員を務めた大磯釣り保存会は「今年は20cm超えを見ることができず残念。海水温はぬるま湯程度で決して悪くなかったが、砂浜が削られ、当たりのポイントを探るのが難しかったのでは」と講評した。

70回に偶然の一致

 大会では毎年1位から30位までの入賞者と、くじで選んだ約50人に協賛企業や団体から賞品を贈っている。今年は70回大会を記念して、70位に特別賞を用意していた。集計したところ、ちょうど70位までに釣果があり、71位以下はボウズ(釣果なし)となっていた。

 11・6cmの白キスを釣り上げて70位を獲得した茅ヶ崎市在住の神山暢人さん(49)は「たまたま釣れたのでラッキーだった。来年もぜひ参加したい」と釣り仲間10人と喜びを分かち合った。

 姿の美しさから「海の女王」とも呼ばれる白キス。同保存会は「大きめなら刺身で。酢漬けにするのもおすすめ」と話す。シーズンは11月頃まで。

70回大会で優勝した松井さん
70回大会で優勝した松井さん

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