神奈川県環境保全功労者・工業保安功労者 湘南地域県政総合センター所長表彰の表彰式が、6月11日に平塚合同庁舎で開かれ、大磯北浜海岸で清掃活動に取り組む「大磯ビーチクリーン実行委員会」(田原靖夫代表)が美化運動功労で表彰された。
長年にわたり環境保全活動などに取り組み、顕著な功績を上げた個人や団体を称える同表彰。今年度は県内で7人と7団体が受賞した。
同実行委員会は毎月第1日曜日を「大磯ビーチクリーンの日」として、北浜海岸の清掃を実施している。1998年から続くこの活動が、美しい自然環境の保全に優れた成果をあげているとして、公益財団法人かながわ海岸美化財団から推薦を受けた。表彰を受け、代表の田原さんは「(受賞は)これまでビーチクリーンに参加した一人ひとりがもらったもの。誇りに思い、これからもライフワークとして続けていきたい」と思いを語った。
20年の地道な活動
「自分の家の前やこれから使おうと思っている場所にごみが落ちていたら拾うのと同じ。自分のプレイグラウンドは自分たちできれいにする。そのほうが気持ちよく、ビーチで遊んだりサーフィンができる」。自身も中学生からサーフィンを楽しみ、プロSUPサーファーでもある田原さん。活動のきっかけは20年ほど前の秋のことだった。
サーフィンをしに海へ訪れていた田原さんは、台風で浜に流れ着いた大量のごみを処理しきれず重機で掘った穴に埋めていく光景を目にして「これでいいのか」と心を痛めた。海岸のごみ拾いをしようとポスターやサーファー仲間を通じて呼びかけたところ、なんと100人もの参加者が集まり「自分だけじゃなかった。みんな同じ気持ちだったんだ」と感動した。
定期的に活動を続けるうちに、町の掲示板の使用や同財団からごみ袋の提供を受けられるようになった。また、回収したごみの行方を知ろうと、当時焼却灰を受け入れていた長野県の最終処分場まで見学に赴いたこともある。「現在マイクロプラスチックによる海洋汚染が問題視されているが、たとえばビーチクリーンの日でなくても、海に行ったらペットボトルごみを1本拾ってくる、マイ水筒を持っていくなど、日頃からの小さな積み重ねでごみを減らす・出さない努力が大切と思う」
意識の変化
活動当初は、拡声器を使った清掃への協力を求める呼びかけに「地元じゃないから関係ない」と無視するサーファーも多かったが、徐々に協力する人の数が増えていった。現在ではサーフィンシーズン中の参加者は、サーファーのいない冬場の倍近くになっている。「この20年でサーファーの常識が変わった。今では日本中のビーチで同じような光景が見られる」と変化を喜ぶ。清掃には、海岸で犬の散歩をしている人や家族連れなども参加する。「今の子どもたちは教科書などで環境問題について知っている。清掃に参加することで、それを実体験してほしい」
次回のビーチクリーンは7月7日(日)(荒天時は翌週に順延)。「誰でも参加できます。軍手とトングをもって午前8時に北浜海岸に来てください」と田原さん。詳細は同実行委員会のブログ(【URL】https://ameblo.jp/oisosurfingkyokai/)を参照。
また田原さんは自身の故郷でもある二宮町でも、梅沢海岸で2017年から清掃活動「うみぴか」を毎月実施している。
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