新型コロナウイルス感染症の流行が続く中、100年前に世界中で猛威を振るった「スペイン風邪」が注目されている。寒川文書館や大磯町郷土資料館所蔵の資料から、当時の防疫の様子がうかがい知れる。
大正7〜9年頃に大流行し、国内患者数2300万人、38万人が犠牲になったとされるスペイン風邪。寒川文書館が所蔵する、当時県が発行したと思われるチラシでは、予防法として、人ごみを避けることをはじめ、「呼吸保護器(マスク)を用ふること」「度々含嗽(うがい)をすること」などが呼びかけられており、現代との類似点も多い。また粉塵対策に用いられていたマスクが、この時に普及した。
大磯町では、大正時代に町の助役を務めた小見忠滋の公務日誌に関連の記載が見られる。大正9年の日誌によれば、前年の流行を受けて大磯町では1月と2月に複数会場で予防注射を実施。大槻三麿ら地元の医師が協力したという。大磯町史にある新聞記事ではこの年、大磯で1000人、国府で2000人が接種した。また町内の死者は2人と記録されている。
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