新型コロナウイルスの影響で自宅学習を余儀なくされ、進路選択に不安や迷いを感じている中高生の助けになればと、作家やアスリートなどからの経験談や応援メッセージを掲載したウェブサイト「♯満たせボクらの好奇心」が、このほど公開された。4月に「合同会社 好奇心」を起業した後藤幸羽さん(大磯中学校3年生)が企画し、サイトを運営している。
将来模索し起業
これまで子ども記者が地域の大人を取材する「平塚・大磯とことんメディア」の編集長として、様々な大人と関わってきた後藤さん。「やりたいことが多すぎて親に負担をかけてしまいそう」と悩んでいた2019年3月頃に「中学生は働くことはできないが、社長にはなれる」と知った。知り合いの社長に相談したところ「やると決めたらできる」「とりあえずやってみろ」と背中を押されたことで気持ちを固めた。会社の設立方法を調べ、中高生向けの職業体験スクールなどの自分ができそうなビジネス案をいくつも考え、周囲の様々な人にアドバイスをもらった。株式会社より設立が容易で、個人事業主よりも資金調達がしやすいという理由で合同会社を選択。設立までに必要な時間が少ないことが決め手となった。「人は興味を持てる何かがあれば動く。その一歩目が好奇心だと思う。色々な人がわくわくした気持ちを持ったまま日常を過ごせるきっかけになれたら」。そんな思いを社名に込めた。
緊急事態宣言受けて企画
当初は異世代交流の場を作ることを目標にしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で方向転換が迫られた。休校で学校に通えない状況が続く中で「このままで大丈夫なのか」と将来に不安と焦りを感じるとともに、「この時間を将来についてじっくり考える機会にできないか」と考えた。そこで「今、社会で活躍している大人たちが、人生の岐路にどう立ち向かってきたのかを教えてもらい、自分のような中高生が将来の道筋を描くきっかけ作りにつなげられたら」と「♯満たせボクらの好奇心」プロジェクトを立ち上げた。
「平塚・大磯とことんメディア」の取材で関わった、まちづくりを考えるイベント「平塚100人カイギ」の登壇者らを通じて多方面に呼びかけたところ、さっそく革作家やサッカー選手などから協力の申し出があった。制作した動画では「人生の中で本気で取り組んだことは」「自分が中高生だったら、この期間をどう過ごすか」をテーマに、中高生に向けたアドバイスや激励のメッセージが語られている。「メッセージから、やりたいことを仕事にしている人は目の前にあるミッションにぶつかって乗り越えてきているということを感じた。ミッションとの向き合い方など、将来につながるヒントをもらえたと思う」と手応えを感じた後藤さんは、「この状況下でも、いろいろな思いを持って仕事をしている人がたくさんいる。そんな人たちからもっと話を聞いてみたい。今後も応援メッセージを募り、同世代に伝えていきたい」と意欲をみせた。
自身は受験生。「まずは行きたい高校へ入学できるように頑張る。いずれは自分のやってみたいことを親に負担をかけずにやれるよう、今は知らないことにもどんどん挑戦していきたい」と前を見据えた。
「♯満たせボクらの好奇心」ウェブサイト(【URL】https://koukishinllc.wixsite.com/toppage)
大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|