新型コロナウイルスの感染対策で、インターネットなどを活用した密閉・密集・密接のいわゆる「3密」を避ける取り組みが広がっている。大磯町虫窪の曹洞宗 慶林寺(豊田素道住職)では5月30日、檀家の先祖と餓鬼を供養する法要「大施餓鬼会」をユーチューブでライブ配信する形で行った。
平時なら県央・県西部から参集した30人ほどの僧侶が読経し、約100人の檀信徒が参列して催されていた法要だが、コロナ禍に見舞われた今年は寺にも対応が迫られた。豊田住職は「クラスターの発生を防がなければならないが、祈りの場であるお寺を閉鎖するわけにもいかない。檀家さんが自宅にいながら一緒にお参りできる方法はないか」と模索した中で、特別なソフトを導入することなく誰でも見ることができるユーチューブで配信することを決定。檀家に案内状を配布した。
新しい法要の形
当日は檀信徒を代表して総代ら3人が参列。7人の僧侶が供養に訪れ、ウェブの扱いに造詣の深い僧侶がノートパソコンやスマートフォンを操作して大施餓鬼会の様子をリアルタイムで配信した。読経には震災や新型コロナの被災者への祈りも込められ、10〜15人が配信を視聴した。檀家総代の二宮晃一さんは「新しい生活様式が求められている中で、法要が世間の状況に合わせることも必要」と理解を示す。
また同寺では高齢の参列者がいる檀家の要望に応え、オンラインビデオ会議システム「Zoom」を使用した法事も予定している。豊田住職は「未曽有の事態、感染拡大の第2波への警戒が呼びかけられている中で、お寺も従来のやり方を変える必要に迫られている。ネットの使い方がわからない人も、家族に聞くことでコミュニケーションになる。お参りに来たくても来れないという方のために、様々な方法を探っていきたい」と思いを語った。コロナ禍で、お寺の世界でも試行錯誤が続いている。
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