大磯町国府本郷の里山にキャンパスを構える星槎国際高等学校湘南学習センターの敷地内に、陸上競技専攻の生徒らの手でクロスカントリーコースの整備が進んでいる。7月の完成を予定している。
クロスカントリーのコースは全長約1・5Km。足腰に優しいウッドチップを敷き詰めた起伏のあるコースで、校内を通る部分と合わせると総延長は約2・5Kmになる。元々は森の中を通る遊歩道だったという。
整備のきっかけは、この遊歩道を練習に活用できないかという思いから。陸上競技専攻には外国人留学生も多く、硬い道を走り続けることによる故障のリスクを避けるために、以前から柔らかいランニングコースを必要としていた。しかし当時の遊歩道は、作られてから長い年月を経ていることから雑草が生い茂り、路面の状態も悪く、練習で使うには不向きな状態だったことから、大規模な手入れをしなくてはならなかった。
作業は昨年11月末頃、授業や練習の空き時間を活用して、道路を拡幅するための枝打ちや鍬入れからスタートした。校内に機材があったことから、廃材を利用したウッドチップ作りも行い、滑りやすい箇所などに優先して敷き詰めていった。新型コロナウイルスの感染予防で学校が休校期間に入ると、「今やれることをやろう」と寮で生活する生徒と学校の職員が協力して、朝から作業に取り組んだという。5月中旬からネットを活用して授業が再開したことから空き時間を利用した作業に戻り、6月半ばには拡幅作業はほぼ完了、コースの大半にウッドチップを敷き詰めることもできた。
成長と交流の場にも
重機などを用いることなく、すべて人力での整備。陸上競技専攻の吉村快さん(3年)は「当初は人力だけでは難しいと思っていたが、多くの人の協力でここまで作ることができた。作業を通じて学んだことも多く、成長させてもらった」と満足そうに語る。
また今回の作業を通じて、来日して間もない外国人留学生が「生きた日本語」を学ぶ機会にもなったという。陸上競技専攻の石塚靖夫コーチは「学生たちは『自らの練習環境は自らの手で整える』という意識で積極的に作業に取り組み、遊歩道が目に見えて変化していく様を楽しんでいた。休校中も、学校再開後に戻ってくる仲間たちのために頑張ろうとはりきっていた」と生徒たちの熱意を称え、「完成後は、合宿に出かけなくても起伏に富んだコースで練習ができるようになる。平地と異なる環境で生徒たちの足腰を鍛え、スピードや持久力を育む練習を行っていきたい」と期待している。
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