ドローン(無人航空機)で撮影した吾妻山周辺の映像から、二宮町の自然と農耕について考える環境フォーラムが、生涯学習センターラディアンで8月30日に開かれた。吾妻山北西の針葉樹と広葉樹が混在する水源林や沢筋の様子などが報告された。
吾妻山の麓で遊休農地の再生や沢の整備などに取り組んでいるNPO法人農ある暮らしを広める会が主催。同会から空撮の依頼を受けたE.Technical Works代表でドローン操縦士の衛藤裕之さんが、6月の2日間に撮影した吾妻山周辺の山林と農地の映像を紹介した。
衛藤さんは、山林の中で樹木が少なく凹んでいる部分について「沢が流れているところでは」と推測。針葉樹と広葉樹が混在していることや、枯れ木が複数箇所あることなどを説明した。湯布院の出身という衛藤さんは故郷の農地の変化を例に挙げ、「水源地を失うと、山の下の田畑は使えなくなり、いずれは荒れ地になってしまう。農業を続けることで水源が守られ、水源地の山に対する人々の関心も根付いていく」と話した。
後半は、農ある暮らしを広める会代表の二見幸夫さんが二宮の「農」をテーマに講演した。「60年ぐらい前と比べたら、食べ物を贅沢に食べられる今の世は不思議に思える」と切り出した二見さん。遊休農地や谷戸田を再生する活動は、海と山の生態の好循環の維持や災害時の食料自足に役立ち、そのために地域の中で耕作者を育てていく必要があると語った。
また、広葉樹の「ナラ枯れ」と、竹が山林の上の方にまで繁茂している現象を指摘。「土中環境に異変が生じ、山の機能が失われかけている」と危機感を訴えた。フォーラムには同会が主宰する「二宮農園」の会員ら約30人が参加した。
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