7本指のピアニストとして世界で活躍する西川悟平氏を招いた出前講座が、10月5日に県立二宮高等学校で開催された。共生社会の実現をめざし県が進める「ともに生きる社会かながわ憲章」の取り組みの一環。西川氏が相互理解やあきらめずに夢に向かって進むことの大切さについて生徒たちに語った。
渡米しピアニストとして活動していた西川氏は、2001年にジストニアを発症。満足に両手が動かず、医師から「不治の病」と宣告を受けたが、懸命なリハビリで克服し、7本指で演奏できるまでに回復。今ではその奇跡の音色で世界中のファンを魅了している。
出前講座を依頼した二宮高校は今年度から、障害の有無にかかわらず同じ教室で学ぶ「インクルーシブ教育実践推進校」に指定。共生社会についての学びを深めようと、県が実施する同講座に応募した。今回は新型コロナの感染予防のため1年生のみ参加し、2、3年生は後日、ビデオでの講座観賞となった。
県職員による「ともに生きる社会かながわ憲章」の解説後、生徒たちの拍手に迎えられて登場した西川氏は、ピアノとの出会いや渡米のきっかけ、米国での人生を変えるような出来事などを語り、合間にピアノ演奏も披露した。15歳からピアノを始めたという西川氏は「明確なイメージをもって継続する、やりたいことを口に出して言う、好きなものを見つけて挑戦してみる」と夢を叶える方法とあきらめないことの大切さを伝え「失敗は経験になる。恐れないで」と呼びかけた。講座終了後、同校1年生の古谷心羽さんは「心に残る話と優しい音色に感動した。自分も西川さんのように色々なことに挑戦していきたい」、小瀬瑠也さんは「人の気持ちをしっかりと受け取りながら話すようにしていきたい」とそれぞれの感想を話した。
また、本紙が共生社会について尋ねると西川氏は「一番恐ろしいのは無知。相手を理解しようということから始まり、自分からも情報を発信することが大切」と語った。
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