猛威を振るう新型コロナウイルスの影響で、昨年1年間に大磯・二宮・中井町を訪れた観光客数が激減していたことが、県の調査であらためて浮き彫りになった。大磯プリンスホテルの一時休業や海水浴場の閉鎖、イベントの中止などが響いた大磯町は前年から観光客数が半減し、二宮町を下回った。
県が8月16日に発表した2020年の入込観光客調査結果によれば、県全体の観光客数は1億849万人で前年より9618万人(47%)減少した。1、2月は前年とほぼ同水準で推移していたが、感染が拡大した3月以降に激減。不要不急の外出自粛要請や観光施設の一時休館、イベントの中止などが重なり、東日本大震災が発生した2011年(約1億5200万人)をも下回った。
二宮・中井は影響ゆるやか
年間100万人近い観光客が訪れている大磯町も、昨年は45万5000人(前年比46・4%)と激減した。海水浴場の開設を見送った大磯海岸で年間12万2000人減、利用を宿泊者などに制限した大磯ロングビーチで14万4000人減少。緊急事態宣言に合わせた旧吉田茂邸などの観光施設の一時休館、湘南国際マラソンなどイベントの中止も観光客数の減少に拍車をかけた。これに伴い、観光客による消費額も前年の52%ほどに低迷している。変異株による感染の再拡大に見舞われた21年、大磯町産業観光課は「厳しい状況が続いているが、収束後を見据えた町内の観光・経済振興に向けた準備を進めていきたい」と話す。
一方、二宮町では二宮海岸で5万6000人減(前年比77%減)、ラディアン花の丘公園で1万人減(同26・3%減)と大磯同様に減少したが、吾妻山公園の利用者が2万6000人増加(同6・8%増)し、町全体で5万2000人の減少(同9・4%減)にとどまった。吾妻山公園の利用者が増えたことについて二宮町産業振興課は「1、2月に開催している菜の花ウォッチングで、20年は前年に比べて期間中の天候や花付きが良かったことから、会場の吾妻山公園を訪れる人が大幅に増えた。感染が拡大した3月以降は他の施設同様に減少している」と説明する。美・緑なかいフェスティバルや厳島湿生公園の竹灯籠の夕べの開催を見送った中井町は、年間で6万7000人減少(同25・6%減)した。
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